末期がん,糖尿病性ニューロパチー,帯状疱疹後,脊髄損傷などで発症する神経障害性疼痛は,疼痛過敏や,通常では痛みを引き起こさないような非侵害刺激(接触や軽度の圧迫,非侵害的な温冷刺激など)で痛みを生じてしまう病態(アロディニアとよぶ)などを主症状とする難治性疼痛である.その発症メカニズムを解明するためにさまざまな病態モデルが考案されているが,Chungモデルはアロディニア発現モデルとして知られている.通常は,ラットの後肢を動かすL4〜L6脊髄神経線維すべてをそれぞれ結紮するが,その変法としてL5脊髄神経だけを結紮して切断する方法があり,これはきわめてよくアロディニアを再現することができるので最近よく用いられている.(実験医学増刊322より)
研究成果を薬につなげる アカデミア創薬の戦略と実例
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