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ECM sleeve

2006年,McDonald教授らによって提唱された概念.empty sleeveともよばれる.腫瘍に対しVEGF阻害による治療を施すと,血管Tip細胞の活動が低下するとともに既存の成熟した血管網も退縮する.ところが,血管そのものは退縮するものの,FibronectinやⅣ型コラーゲンなどの血管細胞外マトリックスからなる整然としたネットワーク構造が,腫瘍内には残存する.VEGF阻害を中断すると,急速に腫瘍内血管網が再構築されるが,これはECM sleeveのネットワークに沿って血管内皮細胞が遊走するというシンプルな作業しか要さないためである.(実験医学増刊2817より)

血管研究と血管治療

血管形成メカニズムの新たな概念から炎症・がん治療,虚血性疾患の血管再生療法まで

高倉伸幸,尾池雄一,室原豊明,矢野聖二/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

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