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Hill数

HILLすう

⽣態学において,種の多様性を特徴づける重要な要素として,種の豊富さ(richness)と均等度(evenness)がある.Richnessはサンプル内で観測された異なる種の数を,evennessは異なる種の間の相対的な観測頻度を,それぞれ⽰す.多様性指数は,この2つの要素を共に考慮した指数である.Hill数は,1973年にM. O. Hillによって提案された,情報理論的な視点に基づく多様性指数の1つであり,以下の式によって定義される:"piは,i番⽬の種の観測数を全体の観測数で標準化した相対的な観測頻度である.Dαは,パラメータαを0に近づけるほど稀な種であっても平等に,⼀⽅でパラメータαを⼤きくするほどより観測頻度の⼤きい種に偏って評価する.すなわち,αが⼩さいほどrichnessを,逆にαが⼤きいほどevennessをより考慮して評価する指標となっている.なお,Hill数Dαの⾃然対数を取ると情報理論におけるRényiエントロピーRαとなり,Rα=ln(Dα)である.また,α=1のRényiエントロピーR1は,シャノン・エントロピーに相当する.(実験医学増刊3820より)

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小林徹也,杉村 薫,舟橋 啓/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

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