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マクロファージの機能や活性化状態の相違にもとづくマクロファージの分類の一つ.感染防御やがん細胞の排除に働くM1型と,炎症抑制や組織修復にかかわるM2型に分類され,それぞれのマーカーも知られているが,実際には両者の形質を併せもつマクロファージも多く,病態の経過に応じて形質が変化する場合も多く知られ,単純な二項分類は難しいとされている.近年の1細胞解析技術の発展に伴い,マクロファージ亜群の機能は各種マーカーの発現プロファイル別に議論されることが主流となった.(実験医学増刊4210より)

良い炎症・悪い炎症から捉え直すがんと免疫

慢性感染、肥満、老化などによる慢性炎症を制御し、がんの予防と新規治療をめざす

西川博嘉/編

一般的に,M1マクロファージはIFNγや細菌成分の存在下で誘導され,IL1βやIL6などの炎症性サイトカインを放出し,炎症性に作用する.一方,M2マクロファージはM-CSFなどの免疫抑制因子により誘導され,IL10やTGFβを放出し,免疫抑制,血管新生,組織修復などに作用する.(実験医学増刊3715より)

がん免疫療法の個別化を支える新・腫瘍免疫学

河上 裕/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです