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NAE

エタノールアミンと脂肪酸がアミド結合で縮合した構造をもち,エンドカンナビノイド様の抗炎症,鎮痛,食欲抑制作用を有する脂質メディエータークラスの一種.エンドカンナビノイドの原型であるN-アラキドノイルエタノールアミン(AEA/NAE-20:4,アナンダミドともよばれる)は,カンナビノイド受容体CB1およびCB2のリガンドとして働く.N-ドコサヘキサノイルエタノールアミン(DHEA/NAE-22:6,シナプタミドともよばれる)は,GPR110を介して認知と記憶を改善する.N-パルミトイルエタノールアミン(PEA/NAE-16:0),N-ステアロイルエタノールアミン(SEA/NAE-18:0),N-オレオイルエタノールアミン(OEA/NAE-18:1)などの飽和または一価の不飽和脂肪酸を有するNAEは,ほとんどの組織でAEAやDHEAよりも豊富に存在し,核受容体PPARαなどを介して作用する.(実験医学増刊4117より)

治療標的がみえてきた脂質疾患学

がん、不妊症、免疫・神経・皮膚・代謝性疾患のメカニズムから臨床検体による診断、層別化まで

村上 誠,横溝岳彦/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

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