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PI3K分子種のクラス分け

PI3Kぶんししゅのくらすわけ

PI3Kはイノシトールリン環のD-3位をリン酸化する酵素で,PI,PI4P,PI(4,5)P2を基質として,それぞれPI3P,PI(3,4)P2,PI(3,4,5)P3を生成する.哺乳動物のPI3Kは8種類存在するが,その構造と基質特異性に基づき3つのファミリーに分類されている.クラスⅠはヘテロ二量体で,PI(4,5)P2からPI(3,4,5)P3を産生する.クラスⅠには制御サブユニットの違いにより,p85を含むクラスⅠA(p110α/β/δ),およびp101を含むクラスⅠB(p110γ)の2つのサブクラスが存在する.クラスⅡ(PI3K-C2α/β/γ)は単量体であり,主としてPIからPI3Pを産生する.クラスⅢ(Vps34)は酵母Vps34pのオーソログであり,PIのみをリン酸化してPI3Pを生成する.(実験医学増刊2820より)

分子から個体へと深化する脂質生物学

リピドミクスや脂質イメージングによる局在・機能解析から生体調節系の生理,そして,がん・炎症など疾患の分子機構の理解へ

佐々木雄彦,横溝岳彦,竹縄忠臣/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

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