実験医学 キーワード集 検索へ行くボタン

トリンダー試薬の一種である.生体試料中に存在する多くの類似物中の特定成分を選択的,再現よく検出するために,酵素のもつ厳密な基質特異性が利用される.たとえば,グルコース,コレステロールの定量ではそれぞれグルコースオキシダーゼ,コレステロールオキシダーゼが利用され,生成する過酸化水素(H2O2)を測定する.この際,4-アミノアンチピリン(4-AA)とTOOSなどのトリンダー試薬を組み合せることにより,ペルオキシダーゼの共存下呈色物質を生じるため,微量H2O2の定量が可能である.TOOSはそのようなトリンダー試薬としてさまざまな物質の臨床分析へ応用されている.(実験医学増刊322より)

研究成果を薬につなげる アカデミア創薬の戦略と実例

長野哲雄/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです