スターリング仮説
すたーりんぐかせつ
毛細血管・細静脈領域での水溶性物質の物質交換を規定する法則で,19世紀中頃,英国の大生理学者スターリング(Starling)がカエルの水かきの微小循環研究で見出した.すなわち毛細血管領域での物質移動量はF=KS〔(Pc−Pt)−(πp−πt)〕で規定されているという法則.この値Fが正の時はろ過で水溶性物質は血管内から組織間隙に漏出し,負の時は再吸収で物質は組織間隙から血管内に戻ることを意味する.Kは臓器の毛細血管ごとに変化するろ過係数であり,Sは物質が移動する領域の表面積を表す.Pc,Pt,πp,πtは本文中の説明に準ずる.(実験医学2017年2月号より)
未知なるリンパ
全身にはり巡らされた循環・免疫・がん転移の新たなネットワーク
解説は発行当時の掲載内容に基づくものです
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