好気的ミコトンドリアでは呼吸によるATP合成以外にも,脂肪酸酸化・ヘム合成・鉄硫黄クラスター合成をはじめとするさまざまな生理機能を営む.一方,嫌気環境に適応した生物では呼吸をはじめ,さまざまな代謝機能を失い,オルガネラゲノムも縮小・消失している.プロトンを電子受容体として水素ガスをつくりながらATPをつくることにより命名されたヒドロゲノソームとよばれるMROをもつ膣トリコモナス原虫や高度に縮退したマイトソームとよばれるMROをもつ赤痢アメーバ・ジアルジアが代表的な嫌気寄生原虫である.こういった退行進化したミトコンドリアは真核生物の系統樹のなかでさまざまな系譜にみられる.(実験医学増刊3317より)
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