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レクチンアレイ

れくちんあれい

スライドガラスなどの平たい基板上に糖鎖と結合する能力をもつタンパク質(レクチン)を多数配置させたマイクロアレイの一種.糖鎖はさまざまな構造をもち,細胞の種類や状態によりその構造組成(プロファイル)が異なるが,これを簡便に調べる方法として21世紀初頭に開発された.アレイ基盤に固定化するレクチンの種類と性能,アレイ基盤に結合した糖タンパク質プローブ(膜抽出物など)を定量的に高感度検出する部分に大きな開発要素がある.産業技術総合研究所糖鎖医工学研究センターでは世界に先駆け,特異性の精査された43種のレクチンを固定化したレクチンアレイ基盤と,洗浄操作なしに弱い結合を見逃さず検出できるエバネッセント波励起蛍光検出原理を開発した.これらは,すでに外部企業との協力により製造販売されている.レクチンマイクロアレイは代表的な糖鎖プロファイリング技術である.(実験医学増刊3110より)

第三の生命鎖 糖鎖の機能と疾患

がん,糖尿病,筋ジストロフィー発症との関わりからマーカー・合成法の開発,技術革新まで

門松健治,遠藤玉夫,岡 昌吾,北川裕之/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

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