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低複雑度ドメイン

ていふくざつどどめいん

構成するアミノ酸配列の複雑度が低いタンパク質領域を低複雑度ドメイン(low complexity domain:LCD)とよぶが,そのようなドメインは疎水性のコアをもたず,単独では強固な立体構造をとらない傾向にある.LCD領域はX線結晶構造解析でも立体構造を決定できないことが多く,天然変性領域(intrinsically disordered regions:IDR)ともよばれる.天然変性領域のなかには特定の条件でプリオン繊維を形成する一群のものがあり,そのようなドメインを特にプリオン様ドメイン(prion like domain:PrLD)とよぶこともある.これらの領域は多数の弱い分子間相互作用を仲介し,試験管内でハイドロゲル形成や液-液相分離による液滴形成を引き起こす傾向にある.(実験医学増刊385より)

イメージング時代の構造生命科学

細胞の動態、膜のないオルガネラ、分子の構造変化をトランススケールに観る

田中啓二,若槻壮市/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです