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家族性腫瘍と遺伝性腫瘍

かぞくせいしゅようといでんせいしゅよう

ある家系に特定のがんの異常集積がみられる場合,その原因にかかわらず,集積した腫瘍を家族性腫瘍(familial tumor)と称する.腫瘍が家族性に集積する原因としては,遺伝・環境・偶発の要因があり,遺伝的要因で家系内集積性を示すものを一般に遺伝性腫瘍(hereditary tumor)と称する.家族性腫瘍の概念には原因遺伝子が明らかである遺伝性腫瘍の他,環境要因を共有することで家系内集積性を示すもの,偶発的に集積したもの,原因不明症例,等の要因が考えられる.なお,現時点で腫瘍の家系内集積性の原因が不明な例のなかには,現在われわれが知りえない因子が原因であるものと,遺伝要因あるいは環境要因が原因であるが,突き止められないだけの場合がある.(実験医学増刊3715より)

がん免疫療法の個別化を支える新・腫瘍免疫学

河上 裕/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです