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顧みられない熱帯病

こころみられないねったいびょう

先進国ではほとんど存在せず,主に熱帯地域で蔓延する感染症で,患者の大多数の貧困層であるがゆえに,製薬会社にとって開発・販売の採算の合う市場とならないために治療薬の研究開発が積極的には行われない疾患群を指す.自然災害,戦争,民族紛争などに大きく影響を受け,数億単位の患者が存在するにもかかわらず,地域でも国際社会でも十分な注意を払われないまま社会に名前さえがほとんど知られていない病気が多い.世界保健機関(WHO)が指定するアフリカ睡眠病・シャーガス病・リーシュマニア症・ブルーリ潰瘍・デング熱・住血吸虫症・フィラリア症・オンコセルカ症・ハンセン病などを含む17疾患を中心とするが,このリストにすら含まれない広義の(真の)NTDが多く存在する.(実験医学増刊3317より)

感染症 いま何が起きているのか 基礎研究、臨床から国際支援まで

新型インフルエンザ、MERS、エボラ出血熱…エキスパートが語る感染症の最前線

嘉糠洋陸,忽那賢志/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです