実は研修医の診療の主たる場は外来ではない.院内なのだ.ということは,研修医は院内で起こる感染症にも当然遭遇するし,その対処もできなければならないのだ.
院内で発症する感染症は,感染症としての複雑さという観点からはその診療内容は市中感染よりも難易度は高いといえる.死亡率が高い疾患もある.しかしたとえ研修医であっても,この院内での感染症からは逃げることはできない.これが現実なのだ.
しかし,逃げてばかりはいられない.できれば自信をもって取り組めるようになりたいはずだ.そのような研修医のために,本特集を企画した.
院内感染症の診療とはいうものの,最初から感染症という診断がついているわけではない.患者さんは,発熱その他の身体上の問題という形で発症し,情報収集と評価を行うなかでやっと感染症と診断がついていく.診断に辿り着けなければ適切な治療も施せない.一方,感染症の多くは発熱で発症する.ということは発熱患者の診療が上手になれば,うまく感染症の診断にも辿り着けるはずだ,そこでまずは総論で発熱患者の診療を学んでいただく.なかでも免疫不全がある患者さんの発熱の対処法は,患者さんの免疫不全という背景を適切に捉えて診療を行う必要があるので,各論でも別に取り上げることにした.診療のなかで困ることの1つは,経過観察が難しいことだ.入院患者は,そもそも何らかの疾患があってこそ入院しているわけであって,そこに感染症が重なった場合の経過観察は一筋縄ではいかない.経過観察についてもしっかりと学んでいこう.また院内の感染症で厄介なのは,抗菌薬耐性菌への対処機会が多いことである.そこで,遭遇する頻度の高い耐性菌を知っておけば,ぬかりはなくなる.
皆さんは,院内の感染症で発生頻度が高いものは何か知っているだろうか? それは院内肺炎・手術部位感染症・カテーテル関連血流感染症・尿路感染症の4つである.この4疾患で院内の感染症の実に8割を占める! ということは,この4大疾患の対処法をマスターしておけば,院内の感染症の大部分を対処できるということなのだ.頻度は前の4大疾患より低くても,重要度の点で劣らないのが偽膜性腸炎である.診断も治療もそして院内感染対策の点からもなかなか手強い疾患だ.今回の特集では,これらをしっかりと網羅していただいた.
発熱患者の診かた,多剤耐性菌などの基本知識から,カテーテル血流関連感染症,尿路感染症など,よく出会う疾患別具体的アプローチまで解説.院内感染症に必ず出会う研修医だからこそ学ぶべき知識をここに濃縮!
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