疾患ごとに複数の典型例を掲載!バリエーション豊富な典型所見と鑑別所見で,実践的読影力が身につく!よく出会う95の頭部疾患を,充実の約2,000画像で解説.多くの症例を見て読影力を上げたい方におすすめ!
目次
第1章 脳血管障害
1. 脳梗塞【西尾理子/井田正博】
2. 脳出血の経時的変化【木下俊文】
3. 脳血管障害の二次性変化【赤澤健太郎/山田 惠】
4. 脳アミロイドアンギオパチー【櫻井圭太】
5. くも膜下出血【木下俊文】
6. 脳動脈瘤【井手 智/掛田伸吾/興梠征典】
7. 脳動静脈奇形【渡邉啓太/掛田伸吾/興梠征典】
8. 海綿状血管腫【掛田伸吾/興梠征典】
9. もやもや病【東 美菜子/北島美香】
10. 静脈洞血栓症【野口智幸】
11. 硬膜動静脈瘻【小西淳也】
12. CADASIL【山元龍哉】
第2章 脳腫瘍
1. 膠芽腫【平塚義康/菊池恵一/三木 均】
2. 退形成性星細胞腫【平塚義康/菊池恵一/三木 均】
3. びまん性星細胞腫【平塚義康/菊池恵一/三木 均】
4. 毛様細胞性星細胞腫【井料保彦/平井俊範】
5. 乏突起膠腫【平塚義康/菊池恵一/三木 均】
6. 上衣腫【井料保彦/平井俊範】
7. 神経節膠腫【東 美菜子/北島美香】
8. 脈絡叢腫瘍【北島美香】
9. 中枢性神経細胞腫【金柿光憲】
10. 非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍【金柿光憲】
11. 髄芽腫【井料保彦/平井俊範】
12. 類上皮嚢腫/ 類皮嚢腫【外山芳弘】
13. 嗅神経芽細胞腫【外山芳弘】
14. 頭蓋咽頭腫【外山芳弘】
15. 神経下垂体germinoma【松木 充/東山 央/稲田悠紀】
16. 奇形腫【松木 充/東山 央/稲田悠紀】
17. 下垂体腺腫【松木 充/東山 央/稲田悠紀】
18. 松果体実質性腫瘍【松木 充/東山 央/稲田悠紀】
19. 神経鞘腫【萩原彰文/五ノ井 渉】
20. 脊索腫【萩原彰文/五ノ井 渉】
21. 髄膜腫【萩原彰文/五ノ井 渉】
22. 悪性リンパ腫【石井仁也】
23. 血管芽細胞腫【石井仁也】
24. 転移性脳腫瘍【石井仁也】
第3章 感染症・炎症
1. 髄膜炎【堀 沙恵香/田岡俊昭】
2. 脳膿瘍【堀 沙恵香/田岡俊昭】
3. 硬膜下蓄膿/ 硬膜外蓄膿【堀 沙恵香/田岡俊昭】
4. 単純ヘルペス脳炎【鎌野宏礼/蓮尾金博】
5. HIV 関連病変【鎌野宏礼/蓮尾金博】
6. 頭蓋内結核【鎌野宏礼/蓮尾金博】
7. 神経サルコイドーシス【増本智彦】
8. 神経Behçet 病【増本智彦】
9. 全身性エリテマトーデスに伴う中枢神経障害【大原有紗/藤川 章】
10. リンパ球性下垂体炎【坂本敦子/佐藤典子】
11. Tolosa-Hunt 症候群【海野俊之/雫石 崇/阿部 修】
12. Creutzfeldt-Jakob 病【海野俊之/雫石 崇/阿部 修】
13. TORCH 症候群【海野俊之/雫石 崇/阿部 修】
14. 脳炎/ 脳症【海野俊之/大久保敏之/雫石 崇/阿部 修】
第4章 脱髄疾患と類縁疾患
1. 多発性硬化症【崔 朝理/三木幸雄】
2. 視神経脊髄炎【坂本真一/三木幸雄】
3. 急性散在性脳脊髄炎【久保友宏/三木幸雄】
4. 副腎白質ジストロフィー【渡邉嘉之】
5. 進行性多巣性白質脳症【中西能亜/三木幸雄】
6. 浸透圧性髄鞘崩壊症【小西淳也】
7. 異染性白質ジストロフィー【渡邉嘉之】
8. Pelizaeus-Merzbacher 病【大澤まりえ/神田知紀/大場 洋】
9. Alexander 病/Canavan 病/Krabbe 病【大澤まりえ/神田知紀/大場 洋】
第5章 変性・代謝疾患
1. Alzheimer 型認知症【三好史倫/篠原祐樹/小川敏英】
2. 前頭側頭葉変性症【三好史倫/篠原祐樹/小川敏英】
3. Lewy小体型認知症【三好史倫/篠原祐樹/小川敏英】
4. 進行性核上性麻痺【松末英司/加藤亜結美】
5. 大脳皮質基底核変性症【松末英司/加藤亜結美】
6. 脊髄小脳変性症【松末英司/加藤亜結美】
7. 低酸素性虚血性脳症,低血糖性脳症,一酸化炭素中毒【櫻井圭太】
8. Wilson 病【國松 聡】
9. Wernicke 脳症【櫻井圭太】
10. ミトコンドリア病【土屋一洋】
11. 放射線壊死【國松 聡】
12. PRES【安藤久美子】
第6章 機能性疾患と類縁病態
1. 神経血管圧迫症候群【鹿戸将史】
2. 正常圧水頭症【鹿戸将史】
3. 脳脊髄液漏出症【鹿戸将史】
4. 肥厚性硬膜炎【鹿戸将史】
5. 海馬硬化症【坂本敦子/佐藤典子】
6. 可逆性脳血管攣縮症候群【大澤まりえ/神田知紀/大場 洋】
第7章 頭部外傷
1. 急性硬膜外血腫【油野裕之/植田文明】
2. 急性硬膜下血腫【森 墾】
3. 慢性硬膜下血腫【油野裕之/植田文明】
4. 脳挫傷【油野裕之/植田文明】
5. びまん性軸索損傷【油野裕之/植田文明】
第8章 脳奇形と類縁病態
1. ChiariⅠ型およびⅡ型奇形【安藤久美子】
2. 全前脳胞症【安藤久美子】
3. 透明中隔- 視神経異形成症【安藤久美子】
4. Dandy-Walker 奇形【宇都宮英綱】
5. 裂脳症【安藤久美子】
6. 異所性灰白質【宇都宮英綱】
7. 脳梁欠損症【宇都宮英綱】
8. 多小脳回【宇都宮英綱】
9. 神経線維腫症【金柿光憲】
10. 結節性硬化症【岡部哲彦/相田典子】
11. Sturge-Weber 症候群【岡部哲彦/相田典子】
12. くも膜嚢胞【五明美穂/土屋一洋】
13. 正常でみられる構造【五明美穂/土屋一洋】
- 本書は編者らが序文で述べているように,豊富な画像を第一の特徴とするタイトル通りの画像診断アトラスである.ありふれた疾患でも,典型例とかけ離れた画像を呈する症例もあり,これらを網羅するには多くの施設が協力してくれることが望ましい.そこでこの教科書をのぞいてみると,なんと著者が66人もいる.それだけ豊富な症例が,この教科書には詰まっているという証拠であろう.短期間のうちに大勢の放射線科医の協力を得て多くの症例を集め,非典型例にも言及しつつ鑑別診断にも配慮した構成となっている.編者らの努力にまずは敬意を表したい.
本書のレイアウトは画像が中心である.画像と文章・文献の紙面に占める割合はざっと見て7対3程度であろうか.あと余白が占める割合が意外に大きい.三者の比率は7:3:1くらいであるが,この部分は書き込みや貼り付けに使うと,学習が効率的行えるであろう.多くの教科書は文章が紙面に占める割合が多く,ともすれば冗長になりがちであるため,読んでいて疲れる 眠くなる ことがあり,時間をかけた割に学習効果が上がっていないのを体験した方は多いのではないだろうか.本書の構成はそんな心配を一掃するものである(つまり気軽に読める).また,一生に一回遭遇するかどうかのような非常に特殊な疾患はほとんど含まれていないので,初学者にも読みやすい(ヴェテランには物足りない?).
豊富な画像はアトラスとしての役割に適しており,臨床の現場で実際の症例の読影にあたるときには,鑑別も含めた疾患名や症状などのヒントを手掛かりに本書を見ていくと,非典型的な意外な画像に出会い,知識を新たにする場合もあると思われる(ヴェテランにも有用である).
本書はどちらかというと初学者向けであるが,神経疾患の画像に接する機会の多い先生方にも有用な教科書であり,見やすい構成になっているので,折に触れ参照すれば読影能力の向上に大いに役立つであろう.表紙もカラフルで綺麗なので,一冊手元においておく価値は十分にあると思われる.(町田 徹[国際医療福祉大学三田病院 放射線診断センター センター長,国際医療福祉大学 教授])
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- 【本書名】圧倒的画像数で診る! 頭部疾患画像アトラス〜典型例から応用例まで、2000画像で極める読影力!
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