本書では輸液を的確に投与するための必須知識を解説し,頻出の病態について現場さながらに経過を追う「症例問題」に挑戦できます!投与開始から停止のタイミング,禁忌まで網羅しているので確かな実践力が身に付く!
目次
第1章 実践に必要な輸液の基本~これだけ知っていれば大丈夫!
1.輸液の基本【長浜正彦】
- 体液生理
- 体液量の評価
- 輸液療法の目的
- 「輸液療法=補充輸液+維持輸液」
- 「mg/dL」 vs 「mmol/L」 vs 「mEq/L」
2.体液生理学の基本【赤井靖宏】
- 体液コンパートメント
- osm regulation vs. volume regulation
- volume depletion vs. dehydration
- 体液生理学の評価に必要な指標
3.体液量の評価のしかた【小板橋賢一郎】
- “hypovolemia(広義の脱水)”とvolume depletion,dehydration
- 身体所見による体液量の評価
- 静的指標による体液量評価
- 動的指標による体液量評価
4.輸液製剤の種類と使い分け方【冨田弘道】
- 細胞外液
- 1号液~4号液:組成と使い分け
- 炭酸水素ナトリウム~製剤説明&重炭酸リンゲル液と炭酸水素ナトリウム液
- 血漿増量剤
- Advanced Lecture:1. 細胞外液のその他の成分:糖,マグネシウム 2. HES
5.初期輸液,補充輸液,維持輸液の違い【鈴木倫子】
6.3ステップで実践する初期輸液療法【西﨑祐史】
- Step1. 脱水を“volume depletion”と“dehydration”に分けて考える
- Step2. 脱水の程度は? 体液欠乏量を推測する
- Step3. 初期輸液の基本は,“維持輸液+補充輸液” 輸液製剤処方の実際
7.利尿薬の使用方法(透析療法の適応)【玉垣圭一】
- 主な利尿薬の作用機序
- 利尿薬治療における注意点
- 急性心不全での利尿薬の選択
- 急性腎障害(AKI)での利尿薬の選択
8.栄養輸液処方の実際【大村健二】
- 非侵襲時の必要栄養量
- 慢性の低栄養患者に対する栄養輸液処方
- 侵襲下にある患者に対する栄養輸液処方
9.輸液のセッティングについて【畑 啓昭】
- 輸液に使う医療機器について
- 管理・使用時の注意点
- Advanced Lecture:PICC
10.輸血の基本【椎野泰和】
- 輸血の種類
- 輸血の実施
- 輸血による電解質異常
- Advanced Lecture:腎移植患者(血液型不適合患者)への輸血
第2章 症例問題で身につける輸液の実践力
1.脱水への輸液【三枝孝充】
症例問題
脱水の基本知識・輸液の考え方
- 人はどのように「水」や「塩」の変化を感知するか?
- Volume depletionとdehydrationの診断
- 脱水の原因
- 脱水の輸液
2.循環器疾患への輸液【今井直彦】
症例問題
- CKD患者が待機的心カテーテル検査を必要とする場合の輸液
- ACSや急性心不全への輸液
- 高血圧緊急症への輸液
3.腎疾患への輸液【田川美穂】
症例問題
- AKI(ATN)への輸液
- CKD患者の高カリウム血症への輸液
- 透析患者への輸液
腎疾患の基本知識・輸液の考え方
- 急性腎不全に対する輸液
- 高カリウム血症のマネジメント
4.ICUの輸液【塚原知樹】
症例問題
敗血症の基本知識・輸液の考え方
- 敗血症
- EGDT
- 晶質液 vs 膠質液
- 生理食塩水とその他のより生理的な晶質液
- 重曹水
- 体液量の評価
- Volume overloadをどうするか?
5.電解質異常への輸液【比良野圭太】
症例問題
- 低ナトリウム血症①
- 低ナトリウム血症②
- 低ナトリウム血症③
- 高カルシウム血症
電解質異常の基本知識・輸液の考え方
6.体液過剰(心不全・ネフローゼ・肝硬変)への輸液【柴垣有吾】
症例問題
- 浮腫のあるネフローゼ症候群への輸液・利尿薬の使用方法
- 腹水のある肝硬変への輸液・利尿薬などの使用方法
- 心不全への輸液・利尿薬の使用方法
体液過剰状態の基本知識・輸液の考え方
- 浮腫性疾患では“有効循環血漿量”が低下しているのか?
- 体液量過剰であっても,食欲のない患者に何も投与しないと“干からびる”のか?
- 総論:浮腫性疾患の輸液をどう考えるのか?
7.救急(外傷・ショック)への輸液【田中和豊】
症例問題
- 外傷(多発外傷・頭部外傷など)への輸液
- 熱傷への輸液
ショックの基本知識・輸液の考え方
8.糖尿病への輸液【長浜正彦】
症例問題
- 高血糖患者への輸液(HHS)
- 高血糖患者への輸液(DKA)
糖尿病の基本知識・輸液の考え方
- 病態生理・臨床像
- 血糖降下速度に関して
- リン補充に関して
- 重炭酸塩補充に関して
9.周術期の輸液【佐藤温洋/角田隆俊】
症例問題
- 生体腎移植の周術期
- 原発性副甲状腺機能亢進症の周術期
周術期の基本知識・輸液の考え方
10.高齢者への輸液【大蔵 暢】
症例問題
高齢者の基本知識・輸液の考え方
- 高齢者の身体特性と輸液療法
- 高齢者の体水分量診断
- 高齢者の体水分量や電解質の異常への対応
- その他の注意事項
11.小児への輸液【藤丸拓也】
症例問題
小児の基本知識・輸液の考え方
Column
「病態が判明するまで」とはどれぐらいの時間か
国試―臨床ギャップ=1/2生食はどこへ行った
透析か移植か 日米の透析療法をめぐるさまざまな違い
栄養学は生化学と臨床医学の掛け橋である
留置針の接続の注意点
脱「井の中の蛙」
Everything Bagel
生理食塩水の謎
亀と乳酸アシドーシス
3つの魔法 ―輸液・電解質・酸塩基平衡―
公平中立な医療
内科医のアイデンティティー
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- 【本書名】レジデントノート増刊:輸液スーパー指南塾〜経過を追う症例問題で実践力を鍛える!
- 【出版社名】羊土社
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