医師が今さら聞けない&意外と知らない介護・福祉の超基本から,日常診療ですぐに役立つ具体的なコツまで解説した,ありそうでなかった内容!「Gノート」誌の大人気連載に新規項目を多数加えて単行本化した必読書!
−中略−
−後略−
地域包括ケア時代の医師は何を学ぶべきか?
地域包括ケア時代を迎えて,プライマリ・ケア医に必要とされる技術や知識,そして価値観の変容が求められている.特に重要なことは地域包括ケアが,二つの軸の統合ケアとして構想されていることである.地域ベースの多職種連携と協働が求められる水平統合の軸と,医療や介護・福祉の施設間の効率的・効果的な連携が求められる垂直統合の軸である.統合ケアの要は規範的統合の達成,すなわちケアに関する文化や価値観の共有であり,それに基づく個別事例や地域づくりに関する目標を構成メンバーや施設間で一致させることにある.そして,残念ながら,医師がこの規範的統合の阻害因子になってしまうことが従来から指摘されている.そうした視点から見ると,この本は医師が規範的統合のバリアーにならないために何を学ぶべきかを具体的に提示していると捉えることができる.規範的統合のためには,単純に各種制度のしくみ,施設の性格,他職種の職能などを知るだけでは不十分で,むしろ医師自身が自身の価値観を振り返り,他職種の価値観とどこが対立するのか,どうしたら共通点が見出せるのかといった省察が必要になる.そして,この本では具体的なケースにもとづいてさまざまなコンテンツが解説されているため,読む医師自身が「自分なら?」と考えながら読み進めることができる.
また,全体を通じて現場の若手医師による,自身の経験を通じて発せられるフレッシュな語り口が良い.このテーマに関する書籍は,どちらかというとベテラン医師による「オレ流」のパールが書かれているものが多いが,この本では若い医師が実践のなかで悩むポイントがよく押さえられているため,教育的意義が大きいだろう.例えば,退院時カンファレンスの稿での,全員のメリット,在宅医のメリット,病院勤務医のメリット,患者さん・家族のメリットに関する語りは,荒削りであるが,実践を通じて得たであろう貴重なパールであり,枠組みである.看護学視点からの退院支援とはまた違った,医師視点からみたパールであるというところも面白い.
ただし気になるところとしては,今後制度は刻々と変化していくため,こまめな改訂が必要となることである.しかし,本書では制度によって左右されない肝の部分が解説されており,情報リソースとしてよりも統合ケアを学ぶための学習リソースして捉えれば良いと思う.地域包括ケアの時代を生きるすべての医師にこの本を薦めたいと思う.
藤沼康樹(医療福祉生協連家庭医療学開発センター センター長)
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