がん・非がんに関わらず,終末期に携わるすべての医療者必読!ACPの進め方,意思決定支援,多職種連携,医療者のケアなど,実践的な知識やエビデンス,参考になる事例が満載!これからの多死社会を診る医師に必須の知識とスキルが身につく!
本書は,すべての医療者に勧める一冊である.終末期にかかわらない医療者はいない.医療者というより人間,生物として,死とかかわらないものはいない.その点においてどんな医療者でも死を意識する,考えることは避けられない.しかし,死や終末期を語ることはとかくタブー視されがちであり,そこに切り込んでいったことも編者や執筆者の気概を感じる一冊である.
そのうえで,執筆者の職種,診療科,年代を,非常にバラエティー豊かに揃えた執筆陣もまた見事である.死にも多様性がある.そしてそこにかかわる人の多様性もまた増している.多角的,多次元的に終末期を考えることはとても重要な考えだと思う.多数の執筆者で書く特集号にありがちな,おのおのがバラバラな方向で論じてしまうといった不細工さもない.一貫して各項で書かれているのは,今までわかっていること(エビデンス)と今までわかっていないことに対する執筆者たちの工夫や考えである.語ることをタブー視されがちな終末期の分野でもエビデンスは集まりつつある.ただ,そこには個別性も強いため,各専門家たちのエキスパートオピニオンは聴くに値する金言も多い.加えて具体的な対策や処方内容があるのは,現場で終末期と向き合う機会のあるわれわれにとっても心強い.
そして,もう一つ特筆すべきなのは「今」という言葉だと思う.ご承知の通り,日本は世界でもトップレベルの速さで高齢化が進んでいる.その分終末期に向き合う人も必然的に多くなる.増大する終末期患者に対して,当然緩和医療の専門家だけでは追いつかない現状がすでに発生している.そして,そのなかで死に対する価値観や医療制度も目まぐるしく変化している.心不全の緩和ケアに対する診療報酬が追加されたのもその一つの証拠だと思う.「今」を含めた「これから」に終末期医療が刻々と変化していくなか,今回,総論的に終末期医療についてまとめたことには大きな意義があると思う.
この増刊号はすべての医療者に何かしらの得るものが必ずある本である.これらを見事にまとめあげられた編者には最大限の賛辞を送りたい.
橋本忠幸(橋本市民病院 総合内科)
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