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ビッグデータ時代の医学系研究におけるp値

下川敏雄
Toshio Shimokawa:Department of Medicine, Wakayama Medical University(和歌山県立医科大学医学部)
10.18958/7555-00002-0001695-00

医学系研究において,p値が0.05未満であること(有意差があること)が,positive studyであることの条件であるという認識が広がっている.しかしながら,実臨床で得られるビッグデータの1つであるリアルワールド・データ(RWD)では,標本サイズが膨大であるため,「臨床的な差」がなくても,「統計的な差(有意差)」が認められることは少なくない.それにもかかわらず,有意差の有無が「臨床的な差」よりも優先される状況には変化がないように思われる.本稿では,p値の統計学的な定義,p値の誤用に関する議論ならびに,RWD時代のp値の補完あるいは代替の方法として,効果量について紹介する.

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