スマホで読める実験医学
550円

iPS細胞で精神疾患は明らかにできるのか

有岡祐子,奥村啓樹
Yuko Arioka1)2)/Hiroki Okumura1)3):Pathophysiology of Mental Disorders, Nagoya University Graduate School of Medicine1)/Center for Advanced Medicine and Clinical Research, Nagoya University Hospital2)/Pharmacy, Nagoya University Hospital3)(名古屋大学大学院医学系研究科精神疾患病態解明学1)/名古屋大学医学部附属病院先端医療開発部2)/名古屋大学医学部附属病院薬剤部3)
10.18958/7623-00002-0001803-00

精神疾患の病態はいまだ明らかになっていない.その理由の1つが脳の「ヒト特異性」である.この難題に挑むべく,iPS細胞を用いた研究が進められている.iPS細胞を用いた精神疾患研究が報告されてから約15年.さまざまな技術進歩とともにそのアプローチは変化を遂げ,精神疾患患者で起こりうる脳内の分子・細胞の変化が明らかにされてきている.まだ残されている課題や限界は数多くあるものの,iPS細胞が精神疾患の病態における「分子から細胞そして神経機能/回路の変化」の謎を解き明かすことと期待される.

この記事は有料記事です

(残り約9,800文字)

  • 【スマホで読める実験医学】iPS細胞で精神疾患は明らかにできるのか
    550円