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ミクログリアと慢性疼痛―新しいステージへ

Microglia and chronic pain―to a new stage
津田 誠
Makoto Tsuda:Department of Molecular and System Pharmacology, Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Kyushu University(九州大学大学院薬学研究院薬理学分野)
10.18958/7149-00001-0000282-00

体性感覚神経系の傷害や疾患によって神経障害性疼痛が発症する.この慢性疼痛には,痛覚情報伝達系の神経とそれらのネットワークの異常が関与する.そのしくみはいまだ解明されていないが,神経の傷害等に伴って活性化するミクログリアが異常を起こす原因であることがわかってきた.さらに最近,活性化したミクログリアのなかに,疼痛を緩和させる作用を有するサブセットが発見され,慢性疼痛における同細胞のダイナミックな変化と新しい役割が明らかになった.本稿では,これらに関するこれまでの流れと最近の成果をもとに,現時点で想定される最新のメカニズムを概説する.

ミクログリア,多様性,脊髄後角,神経障害性疼痛

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