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ピロトーシス

ぴろとーしす

多細胞生物のプログラムされた細胞死の一種で,サルモネラや赤痢菌等の感染細胞で活性化されたカスパーゼ-1によって引き起こされる.IL-1βやIL-18等の炎症性サイトカインの誘発と細胞外への遊離が,プログラムされた細胞死としてよく知られたアポトーシスにはみられない特徴である.pyroはギリシャ語の炎や熱に由来する.TTSSを有する細菌の感染においては,エフェクターによる細胞死を誘導してマクロファージの貪食作用から回避し,また感染局所の拡大を図るが,アポトーシスともネクローシスとも区別がつかない細胞死も存在する.これについては培養細胞による感染実験で種々のカスパーゼ阻害剤を利用することで,感染に誘導される細胞死の大まかな解析が可能である.(実験医学増刊2710より)

感染症ーウイルス・細菌・寄生虫の感染戦略

光山正雄,北 潔,野本明男/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです