Dynamic stemness model
腫瘍形成能を有するがん細胞集団と腫瘍形成能を有していないがん細胞集団は動的に移行しているという説.Roeschらは,ヒストンH3K4の脱メチル化酵素JARID1Bの発現をモニターすることにより,ヒト悪性黒色腫細胞中に,造腫瘍能をもつ細胞分裂速度が遅い細胞集団(幹細胞的性質stemnessを有する)とそうでない集団を分類した.これらの細胞集団はお互いに移行可能であることから,“動的ステムネス(dynamic stemness)”モデルとよばれ,概念的に階層構造を基本とするがん幹細胞説と相反する).(実験医学増刊2920より)
がん幹細胞—ステムネス,ニッチ,標的治療への理解
genetic/epigenetic変異,微小環境,エネルギー代謝の特異性から見えてくる,治療抵抗性がん克服の戦略
解説は発行当時の掲載内容に基づくものです
本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです