パイロトーシスは,細菌やウイルスなどの病原体に感染した際に,免疫細胞が自らを破壊することで炎症反応を引き起こし,病原体を排除しようとするプログラム細胞死の一種である.具体的には,カスパーゼ-1やカスパーゼ-4(マウスではカスパーゼ11)が活性化されると,ガスダーミンD(GSDMD)というタンパク質が切断され,細胞膜にその切断されたN末端で小孔が形成される.小孔からは,IL-1βなどのサイトカイン等が選択的に放出されるが,その後,最終的にニンジュリン1タンパク質の作用で細胞が破裂し,細胞内物質が流出し,周囲に炎症を起こす.細胞老化を生じた細胞は,小孔までは形成されるが,その後の細胞破壊が生じておらず,パイロトーシス抵抗性が生じている.(実験医学増刊4220より)
細胞老化―真の機能を深く理解する
疾患予防・治療に向けてセノリティクスの本質的な課題に挑む
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