実験医学 キーワード集 検索へ行くボタン

FOXP3

Foxp3は制御性T細胞(Treg)のマスター転写因子である.Tregの分化・機能発現・分化状態の維持すべてにおいて必須の役割を担う転写因子.発現はTregにほぼ特異的であるため,Tregを同定する際のマーカー分子としても用いられる.Foxp3はCD25やCTLA4の発現を上昇させ,一方でエフェクターサイトカイン(IL-2, IFNγ, IL-4, IL-17など)の産生を抑制する.ヒト自己免疫疾患IPEXはFoxp3遺伝子欠損症であり,生後数年以内に全身性の炎症によって死亡する.この症状からFoxp3は,自己免疫のみならず,食物,アレルゲンといった非自己抗原に対する免疫応答をも負に調節していると考えられる.(実験医学増刊265より)

再生医療へ進む最先端の幹細胞研究

注目のiPS・ES・間葉系幹細胞などの分化・誘導の基礎と,各種疾患への臨床応用

山中伸弥,中内啓光/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです