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COVID-19免疫応答の性差とlong-COVIDへの関連

Sex difference in COVID-19 immune responses and long-COVID
上野英樹
Hideki Ueno:Department of Immunology, Graduate School of Medicine, Kyoto University1)/ASHBi Institute for the Advanced Study of Human Biology, Kyoto University 2)/Kyoto University Immunomonitoring Center(KIC),Kyoto University3)(京都大学大学院医学研究科免疫細胞生物学1)/京都大学高等研究院ヒト生物学高等研究拠点 2)/京都大学免疫モニタリングセンターKIC3)
10.18958/7195-00001-0000428-00

男女は性染色体や性ホルモンの違い(英語ではbiological sexと表現)に加えてさまざまな行動様式や社会活動の違い(英語ではgenderと表現)によって免疫機構に差異が生じ,加齢によってさらに免疫細胞が変異する.これらがSARS-CoV-2感染の急性期の経過の違い,およびその後長期にわたって遷延する後遺症,いわゆるlong-COVIDのメカニズムの違いと関連すると考えられる.本稿では,男女でのベースラインでの免疫系の違い,さらにbiological sexがどのようにCOVID-19の重症化と関連するかについて述べたあと,筆者の研究室の最新のデータをもとに,男女で誘導されるSARS-CoV-2特異的T細胞応答の質と量の違いと後遺症症状との関連について考察を加えたい.

免疫応答の性差,性ホルモン,X染色体不活性化,long-COVID

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