実験医学 キーワード集 検索へ行くボタン

MRP1

MRP1は,肺がん細胞株H69のドキソルビシン耐性株H69AR上に過剰発現されている分子として同定されたトランスポーターである.MRPのサブタイプはがん種依存的であり,例えば腎細胞がんではMRP2の発現が優位である.MRP1は,グルタチオン(GSH)抱合体,グルタチオンジスルフィド,グルクロン抱合体,硫酸抱合体などを基質としており,正常細胞,がん細胞における種々の物質の解毒に関与している.アントラサイクリン系などの抗がん剤は,GSHと非酵素的に反応しGSH抱合体を形成することでMRP1を介して能動的に細胞外に排出されることが知られている.(実験医学増刊2920より)

がん幹細胞—ステムネス,ニッチ,標的治療への理解

genetic/epigenetic変異,微小環境,エネルギー代謝の特異性から見えてくる,治療抵抗性がん克服の戦略

須田年生/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです