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クッシング症候群

くっしんぐしょうこうぐん

副腎のグルココルチコイド産生腫瘍によるグルココルチコイド過剰状態は特徴的な体脂肪分布の変化(中心性肥満,野牛肩,満月様顔貌),糖脂質代謝異常,高血圧,骨粗しょう症,皮下線条などを引き起こす.クッシング症候群の表現型は必ずしもグルココルチコイド過剰量と相関せず,グルココルチコイドに対する感受性には大きな個体差が存在する.11β-HSD1はこのような「グルココルチコイド感受性」の多様性を説明する候補分子の1つである.本来は抗炎症に働くはずのグルココルチコイド過剰状態が,クッシング症候群ではむしろ動脈硬化を促進し,心血管イベントのリスクを高める点も興味深い.(実験医学2008年7月号より)

メタボリックシンドロームの鍵因子

脂肪細胞の機能を制御する核内受容体・GPCRの新知見

酒井寿郎/企画

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

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