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クリスパ・キャスナイン

くりすぱきゃすないん

CRISPR-Cas9の元となったヌクレアーゼは,細菌がファージ(細菌に感染するウイルス)の侵入に際して,ファージ遺伝子を自分の遺伝子の中に取り込んで記憶し,同じファージが再侵入した場合,直ちにそのファージ遺伝子を切断するという働きをもつ.CRISPR-Cas9はその働きを応用したものである.CRISPR-Cas9の配列を最初に発見したのは日本人だったが(九州大学石野教授,Ishino Y, et al:J Bacteriol, 169:5429-5433, 1987),その価値に気づいたのは欧米の研究者であった.発見者を巡って熾烈な特許紛争が続いていたが,2017年2月Nature誌の報道によれば,米国特許商標庁はCRISPR-Cas9の特許権がブロード研究所(米国マサチューセッツ州)にあるとする判断を示した.(実験医学増刊382より)

いま、本格化する 遺伝子治療

遺伝性疾患・がんと戦う新たな一手

小澤敬也/編

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです