簡潔さを磨く 1級:解説

推敲例

なぜよくないのか?

例文には(背景1)〜(背景3),(理論1)〜(理論3),(応用1)〜(応用3)と箇条書きが3箇所も登場する.

どのように改良すればよいか?

箇条書きは研究項目をまとめるのによい手段だが,多すぎると逆効果になる.最適な箇条書きの数は1ページに1箇所以内.【研究目的】2ページのなかでも1箇所くらいがよい.それより多いときにはいくつかは箇条書きをやめて,文章でつなげて書く方がまとまった印象になる(ただし,ひとかたまりの文とするためには文章作成スキルを要する場合は多く,書き慣れないうちはお勧めしない).

では,箇条書きの項目数が多すぎるときにはどうすればよいのか? 例えば (1)とか(a)とかの括弧文字を使わないで,シンプルに「・」を使うのはどうだろう.こうすれば(1)〜(5)や(a)〜(d)などの括弧文字が少なくなって見た目上はすっきりする.

例文では(背景1)〜(背景3)が上の文章部分と同じ内容の言い換えなので,カットして文章を整理する.(理論1)〜(理論3)はシンプルに「・」 にして,(応用1)〜(応用3)のみを残した.

改善例

推敲力養成道場:目次

児島 将康

(久留米大学客員教授,ジーラント株式会社代表取締役)

書籍「科研費獲得の方法とコツ」「科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック」著者.毎年の科研費公募シーズン前後に20件近くの科研費セミナーで講演し,理系・文系を問わず申請書の添削指導を行っている.令和6年4月より研究者を支援するジーラント株式会社(https://g-rant.org/)を立ち上げ,活動している.

科研費に関する書籍・ウェビナーや制度の変更点など,科研費申請に役立つ情報を発信しております.
研究生活の役に立つ書籍なども少しご紹介しています.