食道・胃・十二指腸ESDの基本とコツ

部位別・シチュエーション別の治療手技・戦略を伝授

  • 小野裕之/監,滝沢耕平,上堂文也,小田一郎,矢野友規/編
  • 2022年05月11日発行
  • B5判
  • 271ページ
  • 付録:WEB動画
  • ISBN 978-4-7581-1074-7
  • 11,000(本体10,000円+税)
  • 在庫:あり

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早期胃癌では潰瘍を併存する病変もESDの絶対適応病変となるため,日常臨床においても対応が必要である.しかしながら,潰瘍の存在や粘膜下層における線維化は,治療時間の延長や分割・不完全切除にかかわる因子とされ,技術的難易度は高い病変と考えられる1,2)

潰瘍瘢痕・高度線維化合併例が難しい理由は,剥離すべき層の認識が困難となることに尽きる.この稿では,潰瘍瘢痕・高度線維化合併例ではどのようなことを意識してESDを行うかについて解説する.…

籔内洋平(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科)

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上部消化管ESDの最強攻略本!必須知識やITナイフを中心とした基本手技,若手内視鏡医から集めた「現場での疑問」をエキスパートが解説.近年内視鏡治療が増えてきた十二指腸病変の治療戦略・考え方もカバー.

目次

推薦の言葉【道田知樹】

監修の序【小野裕之】

編集の序【滝沢耕平】

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第1章 内視鏡治療をはじめる前に

1 内視鏡治療技術の習得【吉田将雄】

Q1.早く上達するコツはありますか?
Q2.エキスパートが若手~中堅内視鏡医の指導で気をつけていることを教えてください
Q3.左手のアングル操作のコツ・練習法を教えてください
Q4.困難症例で内視鏡治療の途中にめげそうになるときにモチベーションを保つコツや手技的な工夫はありますか?
Q5.足のペダル配置などにこだわりはありますか?

2 患者への説明(術前)【鈴木晴久】

Q.訴訟にならないように同意書に記載すべき項目は?
第2章 内視鏡治療に必要な機器・器具・薬剤

1 鎮静・セデーション【依田雄介】

Q1.ESDの治療手技中に,体動を少なくするために気をつけることはあるでしょうか?
Q2.大酒家に対する鎮静の工夫は?
Q3.当院ではBIS/TCIシステムを用いたプロポフォールで鎮静を行っていますが,それでもESDで鎮静中の体動が多くて困ることがあります.何か体動を減らすためのよい方法はあるでしょうか?

2 治療用スコープの種類と選び方【吉永繁高】

Q.検査中にスコープが曇ったり汚れたりしやすく,洗っても新たな水滴がつくなど洗浄に難渋します.洗浄のコツなどあれば知りたいです

3 局注針・局注液の種類と選び方【角嶋直美】

Q.局注液にインジゴカルミンを入れると食道腺は見えにくくなるでしょうか?

4 ナイフの種類と選び方【吉永繁高】

Q1.先端系からITナイフ系に切り替えたのですが,デバイスの違いによる切り方の注意などあれば教えてください
Q2.ITナイフ以外のデバイスで内視鏡治療を考慮すべき病変の特徴はありますか?

5 クリップの種類と選び方〜効果的な使用法とは〜【吉田将雄】

Q1.病変部位に応じた糸付きクリップ装着の戦略について教えてください
Q2.クリップで筋層を把持しないようにするコツを教えてください

6 高周波装置の設定【上堂文也】

Q1.VIO® 3のpreciseSECTはどんな場面で使えばいいのでしょうか?
Q2.焦げをつくらないコツを教えてください
Q3.先端系ナイフの凝固モードはForcedとSwiftのどちらがよいでしょうか?

7 アクセサリー,その他【吉永繁高】

Q1.観察時・処置時には必ずフードをつけた方がいいですか?
Q2.胃に空気が溜りにくいときの対処法を教えてください
Q3.内視鏡治療に熱中してしまうと気をつけていても過送気になっていることが多々あります.予防するためには左⼿の指を置く位置がポイントと感じるので,エキスパートの指の位置を教えてほしいです

8 切除標本の取り扱い【金坂 卓】

第3章 食道の内視鏡治療

1 食道癌の内視鏡治療適応【佐藤大幹】

Q1.多発ヨード不染のなかから,治療対象病変を選び出すコツはありますか?
Q2.深達度診断の決め手はありますか?
Q3.術前にB2血管,深達度MM/SM1と診断した場合,診断的ESDを行うケースとESDは行わずに他の治療を行うケースの割合は?

2 食道EMRの適応と基本手技【石原 立】

3 食道ESDの基本手技【山本陽一】

Q1.食道ESDで局注がうまく入らないことがありますが,局注針を深く刺しすぎずに効果的に入れるコツを教えてください
Q2.粘膜下層剥離はどのあたりの深度を目指して,どのように進めていけばよいですか?
Q3.トンネル法とITknife nano™を用いた剥離,初学者にはどちらがおすすめですか?
Q4.高度まだら食道症例などマーキングで悩む場合のポイントを教えてください
Q5.早期食道癌に随伴するヨード淡染帯はどこまでとっていますか?

4 食道ESDの部位別・シチュエーション別テクニック

①頸部食道病変【阿部清一郎】

②全周切除が必要な病変【田中雅樹】

Q.ほぼ同心円上に2病変があり病変間に数mmの正常粘膜があった場合では,残すべきか,一括切除すべきか,教えてください【上堂文也】

③筋層欠損例【山口直之】

Q.筋層欠損例の見極め方を教えてください

④線維化病変【山本陽一】

Q1.線維化病変の粘膜下層剥離時の追加局注はどうしていますか?
Q2.ESD後瘢痕近傍の病変など,線維化が強く層の認識が困難なときに病変に切れ込まずに切除する工夫を教えてください

⑤食道静脈瘤合併例【髙島健司】

Q.EVLしても静脈瘤が少し残ってる静脈瘤上の病変はどういうストラテジーで切除すればよいですか?

⑥CRT後の局所遺残再発に対するサルベージ内視鏡治療【中條恵一郎】

Q1.病変口側面に瘢痕があるとき,どうすればうまく局注できますか?
Q2.CRT後の病変は少々穿孔しても縦隔炎にならないらしいと聞きました.攻めても大丈夫ですか?
Q3.PDTでどのくらいの時間当てると穿孔してしまうのでしょうか?

⑦バレット食道病変【阿部清一郎】

Q.非腫瘍のバレット上皮も含めて全周に切除すべきでしょうか?

5 狭窄予防と狭窄後のマネージメント【田中雅樹】

Q1.ケナコルト-A®局注の適応とその使用量はどう決めていますか?
Q2.ステロイド局注はどのくらいの間隔でしたらよいでしょうか?
Q3.狭窄をきたさないための粘膜剥離時のコツを教えてください
Q4.頸部食道ESD 後に拡張しても粘膜が伸びるだけでなかなか裂傷が生じない場合があるのですが大丈夫でしょうか?
Q5.狭窄が必発する病変では,ESD にするかCRT にするか悩みます…
Q6.食道ESD 後狭窄が起こる可能性が高い場合,フォロー間隔はどうしたらよいですか?

6 トラブルシューティング

①術中に条件が悪化したときの対応【矢野友規】

②出血への対応【野中 哲】

Q.どのくらいの時間まで止血して大丈夫なのでしょうか?

③食道ESD穿孔【川田 登】

Q.クリップとネオベール®のどちらがおすすめですか?

7 治癒切除基準,サーベイランス【門田智裕】

Q.非治癒切除時の追加治療選択に関する考え方を教えてください
第4章 胃の内視鏡治療

1 胃癌の内視鏡治療適応【金坂 卓】

Q1.20 mm未満の胃腺腫に対しても積極的にESDを行うべきですか?
Q2.内視鏡治療の適応に関して年齢やADLに基づく基準はあるのでしょうか?
Q3.粘膜内癌のESD絶対適応はサイズの上限なしですが,部位,周在性,大きさなどでESDを断念せざるを得ない条件はありますか? また,巨大病変の際に注意すべき点を教えてください
Q4.胃癌のEMRはもう行わない方がいいのでしょうか?
Q5.生検と内視鏡像が乖離した場合の対応は?

2 胃ESDの基本手技【阿部清一郎】

Q1.範囲診断に自信がないとき,マーキングをどのように設定すべきでしょうか?【門田智裕】
Q2.局注針穿刺時のコツを教えてください【牧口(江郷)茉衣】
Q3.視野確保が困難な病変の場合,局注液の濃度はどのように設定していますか?【牧口(江郷)茉衣】
Q4.上手に適切な深度に粘膜切開するコツを教えてください【中條恵一郎】
Q5.周辺切開のとき大出血して辺縁が焦げてしまいました…止血のコツを教えてください【中條恵一郎】
Q6.胃角部などの近づきにくい場所などの処置でITナイフを長く出す以外のいい方法はないでしょうか【中條恵一郎】
Q7.ITナイフが胃壁に対して垂直に近い当たり方をしてしまうとき,どのような工夫をしていますか?【中條恵一郎】
Q8.横方向の切開時などでITナイフの操作で粘膜がたわんでしまうとき,内視鏡操作をしてデバイス方向を変えてみたり追加局注をして切開部のテンションを高めて切開するなどの工夫もしますが,それ以外に何か簡単なコツがあれば教えてください【中條恵一郎】
Q9.糸付きクリップでトラクションをかける際のコツを教えてください【七條智聖】
Q10.筋層直上で剥離するのと,筋層が見えないぐらいの層で剥離するのはどちらがよいでしょうか?【七條智聖】
Q11.斜走筋を同定するコツを教えてください【七條智聖】
Q12.粘膜下層剥離時の追加局注はどのようにしていますか?【七條智聖】
Q13.標本の切除面が焼けてしまい病理学的に評価困難になってしまいました…【七條智聖】
Q14.反転させる以外で,視野を安定させるコツが知りたいです
Q15.手技の時間短縮のコツを教えてください

3 胃ESD の部位別・シチュエーション別テクニック

①接合部【依田雄介】

Q.見下ろし操作と反転操作のどちらがよいですか?

②胃底部【吉田将雄】

③胃体上部大彎【牧口(江郷)茉衣】

④胃体下部大彎【髙島健司】

Q.はじめのmucosal flap作成が難しいのですが,どうすればいいですか?

⑤胃角部小彎【砂川弘憲】

⑥幽門前部,前庭部【牧口(江郷)茉衣】

Q1.球部内反転のコツが知りたいです
Q2.幽門近傍,前庭部の広範なESDで蠕動低下をきたす場合も胃が温存できるESDにこだわった方がよいですか?

⑦潰瘍瘢痕・高度線維化合併例【籔内洋平】

Q1.内視鏡的には潰瘍瘢痕があると思っていても,線維化がないことも経験します.事前に予測することは可能でしょうか?
Q2.深達度が深い可能性がある場合,および線維化が癌によるものか判断困難な場合,断端陰性で剥離するためにどの程度まで深く剥離すべきでしょうか?
Q3.線維化症例では,高周波装置の設定は通常時と変更するべきでしょうか? また,ナイフの使い分けはどうしているでしょうか?
Q4.残胃や胃管でのステープルがある部分はどのように処理すればよいでしょうか?

4 クリニカルパス【矢野友規】

5 トラブルシューティング

①出血への対応【七條智聖】

Q1.血管密度が高くて局注だけでも出血してしまうような病変での出血をさせないESDのコツを教えてください
Q2.剥離中の出血をITknife 2™で止血する際のコツ,その際の高周波電源の推奨される設定などを教えてください
Q3.出血時のRDIモードの有用性は実際のところどうですか?
Q4.先端系デバイスでは血管に対して予防焼灼を行うことがありますが,ITknife 2™でも同様のことはできるのでしょうか?

②穿孔時の対応【山本陽一】

6 治癒基準,サーベイランス【鈴木晴久】

Column:有茎性胃病変に対する内視鏡治療【金坂 卓】

第5章 十二指腸の内視鏡治療

1 自然史,生検による経過観察【野中 哲】

Q.十二指腸腺腫に対して治療適応と判断している大きさやその他の目安があれば教えてください

2 D-CSP(十二指腸cold snare polypectomy)【滝沢耕平】

Q1.CSPのときにルーチンで周囲マーキングは行っていますか?
Q2.CSP後の標本回収時に標本が流れないようにする工夫は?
Q3.深部下行脚の病変で近接が難しい場合にも一括で完全切除するためのコツはありますか?

3 Underwater EMR【竹内洋司】

Q1.腺腫なのか腺癌なのかはっきりしない場合,ESDとEMRの使い分けはどうすればよいですか?
Q2.ある程度大きい球部の平坦病変にUEMRは危険でしょうか?
Q3.病変肛門側の視野がとりにくい場合のコツはありますか?
Q4.絞扼時にスネアが滑ってうまくスネアリングできない場面,どのような工夫をされていますか?
Q5.仮に局注をしてから浸水させた場合,よりfloatingしやすくなるなどの利点は得られないでしょうか…

4 十二指腸ESD【川田 登】

Q1.underwater EMRかD-LECS 以外にESDも覚えないとダメでしょうか?
Q2.50 mmの腺腫のESDに8時間かかってしまいました….どうしたらよかったのでしょうか?
Q3.浸水下でESDを行うときに入れる水は何がよいのでしょうか?
Q4.他臓器と比べてきれいな膨隆ができにくい気がします.局注のコツや局注剤の工夫を教えてください
Q5.先端系とITナイフの十二指腸における長所短所,使い分けを教えてください
Q6.よいカウンタートラクションのかけ方はありますか?

5 D-LECS(十二指腸腹腔鏡・内視鏡合同手術)【籔内洋平,吉水祥一,布部創也】

Q.SNADETに対してESD 単独で行うのか,D-LECSを行うのかの基準はありますでしょうか?

6 縫縮の必要性と縫縮方法【七條智聖】

7 乳頭にかかる病変・切除後の胆管膵管ドレナージの意義【加藤元彦】

8 十二指腸トラブルシューティング【川田 登】

Column:家族性大腸腺腫症(FAP)での十二指腸病変の対応【竹内洋司】

Q.家族性腫瘍では比較的大きな早期病変・前癌病変を多数認めることがあります.このような場合の内視鏡的なマネージメントについて教えてください

付録:クリニカルパス

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  • 【本書名】食道・胃・十二指腸ESDの基本とコツ〜部位別・シチュエーション別の治療手技・戦略を伝授
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