PT・OTに必要な生理学の基礎から,理学療法につながるメカノバイオロジーとメカノセラピーまで丁寧に解説.全身の機能を多彩な図で視覚的に学習でき,国試に基づいた章末の練習問題で,知識の定着を確認できる!
目次
● 序【南沢 享】
第1章 からだの働きのしくみを学ぼう(総論)【南沢 享】
1 はじめに
2 人体の階層構造―細胞,組織,器官,器官系
1)細胞 2)組織 3)器官(臓器) 4)器官系
3 細胞の構造と機能
1)細胞膜 2)核 3)細胞小器官
4 膜輸送とシグナル伝達系
1)細胞内外の物質や情報のやりとり 2)チャネル 3)輸送体(担体) 4)ポンプ 5)受容体
5 恒常性
1)ネガティブフィードバック 2)発達・成長・老化など時間変化
6 生理学の理解に必要な化学や物理学の基礎知識
1)細胞を構成する物質 2)同位体 3)pH(水素イオン指数) 4)タンパク質の構造と性質 5)酵素による化学反応の促進 6)物質移動の原則 7)代謝とエネルギー 8)酸化還元反応 9)サーファクタント(界面活性剤)
第2章 からだを活動させる電気的な興奮(神経細胞,筋細胞,感覚受容細胞)【南沢 享】
1 興奮性細胞とは何か
2 静止膜電位の発生のしくみ
3 活動電位の発生のしくみ
4 受容器電位
5 興奮の伝導と伝達
1)興奮の伝導 2)興奮の伝達
第3章 からだが感じる(感覚)【志牟田 美佐】
1 物理的・化学的刺激を感じるしくみ
2 感覚の分類
1)体性感覚(表在感覚,深部感覚) 2)内臓感覚(臓器感覚,内臓痛) 3)特殊感覚(視覚,聴覚,平衡感覚,味覚,嗅覚)
第4章 からだを動かす・支える(筋肉・骨・関節)【谷端 淳】
1 筋肉の種類と働き
1)骨格筋 2)心筋 3)平滑筋
2 骨格筋の構造
1)収縮装置としての骨格筋 2)ミオシンフィラメントとアクチンフィラメント(筋原線維)の構造
3 筋収縮の分子機構
1)筋収縮のしくみ(クロスブリッジサイクル) 2)筋弛緩のしくみ
4 筋肉への情報伝達
1)運動ニューロンによる筋線維支配 2)運動ニューロンから筋線維への興奮(筋収縮情報)の伝達 3)筋線維の興奮から収縮まで(興奮収縮連関)
5 骨格筋収縮の種類と特性
1)骨格筋収縮の種類 2)力発生の調節 3)等尺性収縮と等張性収縮 4)骨格筋の長さ―張力関係
6 骨格筋を構成する筋線維の種類と代謝特性
1)筋線維の種類 2)筋へのエネルギー補充
7 骨格筋の肥大・萎縮に関与する分子制御機構
1)骨格筋の肥大・萎縮 2)骨格筋再生にかかわる細胞
8 不随意筋の収縮の特徴
1)心筋の収縮 2)心筋収縮の特徴 3)心筋の収縮性 4)平滑筋の収縮
9 骨の働きと形成
1)骨の働き 2)骨の分類 3)骨の構造 4)骨の細胞とその役割 5)骨代謝 6)骨とカルシウム代謝
10 関節の構造と動き
1)関節の構造 2)関節運動の障害 3)不動関節
第5章 からだの中の情報を伝える(神経細胞・自律神経以外の末梢神経)【志牟田 美佐】
1 神経系の構成
2 末梢神経系の機能的分類
3 神経細胞(ニューロン)と神経膠細胞(グリア細胞)
1)神経細胞(ニューロン)の形態 2)神経膠細胞(グリア細胞) 3)神経線維の分類
4 脊髄神経と脳神経
1)脊髄神経 2)脊髄神経の走行 3)脳神経 4)脳神経の線維の構成
第6章 からだとこころの司令塔(中枢神経系)【志牟田 美佐】
1 髄膜
2 髄液
3 血液脳関門
4 脳循環
5 脳と脊髄の構造
1)脊髄の構造と機能 2)脳幹(中脳,橋,延髄)の構造と機能 3)小脳の構造と機能 4)間脳(視床,視床上部,視床下部)の構造と機能 5)大脳の構造と機能
第7章 からだのバランスを保つ(自律神経系)【志牟田 美佐】
1 ニューロンの交代
2 拮抗的二重支配
1)自律神経による生体機能の調節 2)自律神経の神経伝達物質と受容体 3)交感神経系の構造 4)副交感神経系の構造
3 不随意的(自律的)支配
4 緊張性支配
第8章 からだに酸素を取り込む(呼吸器)【谷端 淳】
1 呼吸のしくみ
1)呼吸の概要 2)吸気・呼気・血液のガス分圧 3)肺におけるガス交換 4)呼吸ガスの運搬
2 呼吸に必要な器官の構造と機能
1)気道 2)吸気時と嚥下時の上気道の動き 3)気道の機能 4)下気道の名称と分岐 5)気管支の構造 6)肺胞の構造
3 肺気量分画と気流速度
1)肺気量分画 2)気流速度
4 呼吸運動のしくみ
1)胸郭 2)呼吸筋 3)呼吸運動
5 肺循環
1)肺の血流と血圧 2)換気血流比不均等の調節
6 呼吸の調節機能
1)呼吸の中枢 2)化学受容器 3)肺の伸展受容器 4)呼吸運動は酸塩基平衡を調節する 5)呼吸運動の異常
7 呼吸の病態生理
1)換気障害 2)呼吸不全
第9章 からだ中に血液をめぐらせる(循環器)【谷端 淳】
1 循環器系の役割
1)循環器系の構成 2)血管の構造と機能 3)心臓の構造
2 心臓のポンプ作用と心周期
1)血流量 2)血圧 3)心臓にかかる負荷 4)フランク・スターリングの法則 5)静脈還流量 6)中心静脈圧 7)心臓の収縮力とカルシウムイオン 8)心周期 9)心音
3 心臓の電気的興奮
1)固有心筋細胞の興奮と収縮 2)活動電位の発生と心臓の収縮 3)心臓の自動性と歩調とり 4)興奮の伝搬 5)心筋の収縮リズム(心拍数)の変化と潜在的歩調とり 6)心電図
4 心臓の循環(冠循環)
1)冠状血管系 2)冠状循環 3)心臓の機能不全
5 各臓器における循環の特性
1)脳循環 2)内臓循環 3)肺循環 4)骨格筋循環
第10章 からだ中をめぐって,からだを守る(血液)【谷端 淳】
1 血液の組成と機能
1)血漿 2)細胞成分
2 造血のしくみ
1)骨髄における造血 2)造血幹細胞から血球への分化 3)赤血球の新生 4)造血幹細胞の増殖・分化にかかわるサイトカイン
3 赤血球
1)赤血球の役割 2)ヘモグロビンの構造と機能 3)酸素解離曲線 4)赤血球の破壊 5)血液型
4 白血球
1)白血球の役割 2)顆粒球 3)リンパ球 4)単球
5 血小板
1)血小板の役割 2)止血のメカニズム
6 血液凝固と線維素溶解
1)血餅・血清 2)血液凝固 3)線維素溶解(線溶)
第11章 からだの液体成分を調節する(泌尿器)【南沢 享】
1 体液
1)体液の区分 2)からだの水分の出入り 3)浸透圧とは 4)血漿浸透圧とその調節 5)血漿膠質浸透圧とは
2 腎臓の機能と構造
1)腎臓の機能的特徴 2)腎臓の解剖学的特徴 3)腎小体(糸球体とボーマン嚢)の機能 4)尿細管と集合管の機能 5)腎盂(腎盤),尿管の機能
3 水や電解質の分泌と再吸収
1)水の再吸収 2)Na+,Cl-の再吸収 3)K+の再吸収と分泌 4)Ca2+とリン酸(PO43-)の再吸収
4 栄養素の再吸収
1)グルコースの再吸収 2)アミノ酸の再吸収
5 老廃物の排出
6 酸塩基平衡
1)体液のpH維持 2)HCO3-の再吸収 3)H+の分泌
7 腎臓の機能評価
8 腎臓の内分泌機能
1)レニン 2)エリスロポエチン(EPO) 3)活性型ビタミンD3
9 排尿
1)尿の性状 2)蓄尿・排尿の神経調節
第12章 もうひとりのからだをつくる(生殖器)【南沢 享】
1 性の分化
1)生殖腺の性分化 2)減数分裂
2 男性生殖器
1)男性生殖器の構造と機能 2)精子形成
3 女性生殖器
1)女性生殖器の構造と機能 2)性周期 3)卵子形成
4 妊娠・分娩
1)受精 2)妊娠 3)胎盤の形成と機能 4)分娩 5)乳汁の産生と分泌
5 発生・発達・成長・加齢・老化
1)受精卵から胎児,新生児への変化 2)成長と発達 3)加齢と老化
第13章 からだの働きを調節する(内分泌器)【南沢 享】
1 内分泌とホルモン
1)内分泌と外分泌 2)ホルモンの特徴 3)ホルモンの構造と受容体 4)ホルモンの分泌調節
2 視床下部ホルモン
1)副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH) 2)甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH) 3)成長ホルモン放出ホルモン(GHRH) 4)性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH) 5)成長ホルモン抑制ホルモン(GHIH),ソマトスタチン 6)プロラクチン抑制ホルモン(PIH),ドパミン 7)プロラクチン放出ホルモン(PRH)
3 下垂体ホルモン
1)下垂体前葉ホルモン 2)下垂体後葉ホルモン
4 甲状腺ホルモンとカルシトニン
1)甲状腺ホルモン 2)カルシトニン
5 副甲状腺ホルモン
6 副腎皮質ホルモン
1)副腎皮質
7 副腎髄質ホルモン
8 性ホルモン
9 ホルモンによるグルコースの調節
10 ホルモンによるカルシウムの調節
第14章 からだにエネルギーを取り込み,代謝する(消化器)【谷端 淳】
1 消化と吸収のしくみ
1)消化器系の構成 2)食物の消化 3)食物の吸収 4)消化管の運動
2 消化管の構造と機能
1)口腔と食道の働き 2)胃の働き 3)十二指腸の働き 4)空腸・回腸の働き 5)大腸の働き
3 消化管に付属する器官の構造と機能
1)膵臓の働き 2)肝臓の働き 3)胆嚢・胆汁の働き
4 栄養素の種類と役割
1)栄養素が必要な理由 2)活動エネルギーとなる三大栄養素 3)ビタミン,ミネラルの働き 4)炭水化物の消化と吸収 5)タンパク質の消化と吸収 6)脂質の代謝 7)エネルギーの変換とATP産生
第15章 からだの熱を保つ(体温)【谷端 淳】
1 体温とは
1)核心温度と外殻温度 2)体温の測定法 3)体温の生理的変動
2 熱の出納
1)熱産生 2)熱放散
3 体温の調節
1)温度受容器 2)体温調節中枢
4 発熱
5 高体温と低体温
1)高体温(うつ熱) 2)熱中症 3)低体温
第16章 メカノバイオロジーとメカノセラピー【南沢 享】
1 細胞力覚
1)メカノセンサー 2)機械受容チャネル 3)接着関連タンパク質 4)アクチン細胞骨格系
2 骨格筋のメカノバイオロジー
1)重力の影響 2)骨格筋のメカノセンサー 3)筋紡錘
3 骨と連結組織のメカノバイオロジー
1)骨への機械的刺激の影響 2)骨のメカノセンサー 3)関節や腱・靭帯への機械的刺激の影響
4 皮膚のメカノバイオロジー
5 メカノセラピー
● 索引
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- 【本書名】PT・OTビジュアルテキスト専門基礎:生理学
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