「胎生期・発達期」における環境要因が,「成人期・老年期」の健康あるいは生活習慣病などの慢性疾患の発症リスクに関連することが指摘され,DOHaD学説が提唱されている.本学説の最大の特徴は,「胎生期・発達期」の環境要因を考慮し,時間軸に沿って「成人期・老年期」の健康と疾患リスク因子の形成を想定する点である.妊娠動物モデルを用いた基礎研究とエピゲノム解析技術の進歩により,「胎生期・発達期」と「成人期・老年期」のように時空間的に離れた事象の因果関係が徐々に解明されるようになり,DOHaD学説は医療・医学領域にとどまらず生物学全体における新しい研究課題として注目されている.…
小川佳宏(九州大学大学院医学研究院病態制御内科学分野(第三内科)),伊東宏晃(浜松医科大学産婦人科)
特集の概論を読む
出生前後に曝露された低栄養・ストレス・化学物質などは,将来にどう影響を及ぼすのか?いま注目の「DOHaD学説」の概念からコホート研究,エピジェネティクスなどのメカニズム解明の最前線までをご紹介します.
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