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【スマホで読める実験医学】細胞老化とSASP:生理的役割と治療標的としての可能性
550円
先進国では寿命が伸びたことで加齢性疾患の発症リスクが増大し,その対策が急務になっている.加齢性疾患の原因として慢性炎症が関与していると考えられており,慢性炎症を起こす一因としてSASPが注目されている.SASPとは細胞老化を起こした細胞から炎症性サイトカイン,ケモカイン,増殖因子などさまざまな因子が分泌される現象であり,がんをはじめとするさまざまな加齢性疾患の発症や病態の悪化に関与することが明らかになりつつある.一方で,SASPには損傷治癒など生体の恒常性維持を担う役割もあることから,生体内の老化細胞は状況に応じて有害または有益な相反する作用を有する可能性が示唆されている.そこで,本稿ではSASPがもつ生理作用とその制御方法について考察する.
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