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【スマホで読める実験医学】百寿者研究から見たinflammaging
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百寿者の免疫学的特徴に注目した研究は1990年代から行われ,加齢に伴う弱い慢性炎症,すなわちinflammagingは細胞老化研究の進展も相まって,百寿者研究の一大テーマとなっている.われわれは,日本人百寿者,超百寿者,スーパーセンチナリアンからなる大規模コホート研究において,血液中の炎症マーカーが心血管バイオマーカーや古典的リスク因子と独立して生命予後に関連することを明らかにした.inflammagingが起こるメカニズムとして,当初は加齢に伴うマクロファージの活性化が提唱されたが,最近の研究から,獲得免疫系の老化,組織に蓄積した老化細胞から分泌されるSASP,エピジェネティック変化が関与している可能性が指摘されている.われわれはオミクス,シングルセル解析技術を百寿者研究に応用し,百寿者においては白血球テロメア長が短縮しにくいこと,CD4陽性キラーT細胞が多く存在すること,エピジェネティック年齢が若いことを示した.今後は,臓器,組織に特異的な炎症マーカーと炎症制御メカニズムの解明がinflammagingへの介入法の開発につながることが期待される.
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