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ウイルス感染動態に基づいた抗ウイルス薬の評価と臨床試験設計の検討

Designing clinical trials for antiviral drugs based on the virus dynamics
岩波翔也
Shoya Iwanami:interdisciplinary Biology Laboratory(iBLab),Department of Biological Science, Division of Natural Science, Graduate School of Science, Nagoya University〔名古屋大学大学院理学研究科理学専攻生命理学講座・異分野融合生物学研究室(iBLab)〕
10.18958/7061-00001-0000204-00

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の克服に向けて,多くの治療薬候補の評価が行われている.技術の発展に伴い,パンデミックを引き起こす感染症に対するワクチンや新規治療薬の開発期間が大幅に短縮されているが,既存および新規の候補のなかから有効な治療薬を迅速に見つけ出すことは依然として大きな課題である.本稿では,われわれがCOVID-19の流行初期に行った抗ウイルス薬候補の定量的評価の方法と,それを応用した臨床試験設計の評価方法を紹介する.ウイルス感染動態を数理モデルで捉えることが,新興感染症に対する治療法の確立にいかに貢献しうるかを議論する.

ウイルスダイナミクス,数理モデル,治療薬開発,時系列データ

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