スマホで読める実験医学
550円

COVIREGI-JPにみる新興感染症発生時の臨床情報の収集と利活用

COVID-19 REGISTRY JAPAN(COVIREGI-JP):Collection and utilization of clinical information in emerging infectious disease outbreaks
大曲貴夫
Norio Ohmagari:Director, Disease Control and Prevention Center, National Center for Global Health and Medicine(国立国際医療研究センター病院国際感染症センター)
10.18958/7061-00001-0000206-00

感染症発生時には疫学的・臨床的対応の観点から臨床情報の収集が必要である.日本においてはこのような臨床情報の迅速な収集と共有のためにCOVID-19 REGISTRY JAPAN(COVIREGI-JP)が立ち上げられた.本研究は一定の役割を果たしたが,情報の収集方法等で日本の抱える課題を明らかにした.今後は①新興感染症の診療にかかわる医療機関での研究体制の構築,②研究環境の情報インフラの改善および利用経験の蓄積による既存のデータの利活用,③感染症法等をもとに行政で得られたデータの,民間やアカデミアでの利活用の促進,④レジストリなどのデータベースの構造の改善,利活用方法の改善が必要である.

COVID-19,レジストリ(registry),臨床研究(clinical trial)

この記事は有料記事です

(残り約5,500文字)

  • 【スマホで読める実験医学】COVIREGI-JPにみる新興感染症発生時の臨床情報の収集と利活用
    550円