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免疫のブレーキ“制御性B細胞”研究から疾患制御へ

川上 亮,馬場義裕
Ryo Kawakami/Yoshihiro Baba:Division of Immunology and Genome Biology, Department of Molecular Genetics, Medical Institute of Bioregulation, Kyushu University(九州大学生体防御医学研究所分子機能制御学部門免疫ゲノム生物学分野)
10.18958/7309-00002-0000544-00

B細胞は抗体産生,免疫記憶,サイトカイン産生を介して生体防御免疫を促進するが,自己免疫疾患においては増悪因子として機能する.一方で,B細胞のうち制御性B細胞とよばれるサブセットが,IL-10などの抗炎症性サイトカインの分泌や細胞表面抑制性分子による細胞間相互作用によって多種多様な免疫応答を制御することは20年以上前から報告され,その重要性が指摘されている.しかし,制御性B細胞が疾患環境や作用機序の違いにより多様な顔を見せることから,包括的な理解は今後の課題である.本稿では,制御性B細胞の重要性ならびに,研究や医療応用に向けた知見について紹介する.

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