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遺伝子変異に起因するスプライシング異常とその検出

Splicing mutations that cause abnormal splicing and their detection
飯田直子,岡田 愛,白石友一
Naoko Iida1)/Ai Okada2)/Yuichi Shiraishi2):Department for the Promotion of Drug and Diagnostic Development, Division of Drug and Diagnostic Development Promotion, Translational Research Support Office, National Cancer Center Hospital East1)/Division of Genome Analysis Platform Development, National Cancer Center Research Institute2)(国立がん研究センター東病院医薬品開発推進部門医薬品開発推進部トランスレーショナルリサーチ支援室1)/国立がん研究センター研究所ゲノム解析基盤開発分野2)
10.18958/7309-00001-0000540-00

現在,世界中で大規模ながんゲノムシークエンスプロジェクトが進行中であり,ゲノム解析の有効性が広く検証され,医療システムに大きな変革をもたらすことが期待されている.スプライシングに異常を引き起こす変異は,がんに関与する主要な変異の一つであるにもかかわらず,スプライシング異常を引き起こすメカニズムに未解明な部分が多いことからも,その同定は難しく,取り組むべき重要な課題となっている.そのような状況のなか,われわれは,スプライシング制御配列での変異を検出するSAVNetを開発し,スプライシング異常を引き起こす変異の同定に取り組んできた.また,イントロンリテンション(残存)を引き起こす変異をトランスクリプトームのみを用いて同定する手法IRAVNetを開発し,大規模公共データに適用することで変異情報のデータベース化を行った.本稿では,これらの手法と成果を紹介する.

スプライシング変異,ゲノムシークエンス,RNAシークエンス

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