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スプライシング異常を標的としたがん治療

Test therapeutic targeting of RNA splicing in cancer
Stanley C. Lee
Stanley C. Lee1)2):Translational Science and Therapeutics Division, Fred Hutchinson Cancer Center 1)/Department of Laboratory Medicine and Pathology, University of Washington School of Medicine2)(フレッド・ハッチンソンがんセンタートランスレーショナル科学治療分野1)/ワシントン大学大学院検査医学病態科2)
10.18958/7309-00001-0000541-00

RNAスプライシングは遺伝子発現の転写後制御の重要なステップである.この過程は,タンパク質とRNAから構成されるマクロ分子であるスプライソソームによって,高度に,かつダイナミックに制御される.RNAスプライシングの異常は,神経変性疾患からがんまで,広くヒトの病気においてその病態への寄与が知られている.最近,スプライソソームの核となる構成因子をコードする遺伝子に遺伝子変異が頻発することが発見され,造血器腫瘍をはじめとするさまざまながんの発症においてスプライシング異常が果たす役割の理解が進んできた.本稿では,がんにおける異常なRNAスプライシング制御を標的として開発されている治療法について,最新の知見を紹介する.

選択的スプライシング,スプライソソーム阻害剤,アンチセンスオリゴヌクレオチド,免疫腫瘍療法

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