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スプライシング阻害薬の歴史と現在地

The history and current landscape of splicing inhibitors
森下大輔
Daisuke Morishita:Chordia Therapeutics Inc.(Chordia Therapeutics株式会社)
10.18958/7309-00001-0000542-00

がんにおけるスプライシング因子変異の発見とこれらのがん病態に与える影響の理解が深まってきたことによって,スプライシングを標的とした抗がん剤の研究開発が国内外で現在進行中である.これまでに,スプライシングを標的とした前臨床研究段階の医薬品候補に留まらず,がんを適応として臨床試験を実施した開発化合物がいくつか報告されている.しかしながらいまだ上市されたものは現時点ではない.よって医薬品開発の観点では未開拓な領域であるが,一方でこれまでのスプライシング阻害薬の先駆的なチャレンジに基づいて今後の発展が期待される領域である.本稿では,これまでそして現在のスプライシング反応を標的とした医薬品開発がいかなる状況であるかについて概説したい.

医薬品開発,スプライシング阻害薬,CLK阻害薬,トランスレーショナルリサーチ

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