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スプライスネオ抗原誘導によるがん免疫療法の展開

Application of splice-neoantigen for cancer immune therapy
網代将彦
Masahiko Ajiro:Division of Cancer RNA Research, National Cancer Center Research Institute(国立がん研究センター研究所がんRNA研究分野)
10.18958/7309-00001-0000543-00

ネオ抗原はがん免疫応答を誘導する主要な抗原であり,主要組織適合性遺伝子複合体(MHC:major histocompatibility complex)によりがん細胞表面に提示を受ける.これまでミスセンス変異,挿入・欠失変異等のコーディング領域の変異情報に基づくネオ抗原の解析が先行してきたが,新たな現象としてRNAスプライシング異常に起因するネオ抗原(スプライスネオ抗原)の生成が近年実証された.また,スプライスネオ抗原は従来のネオ抗原と異なり一定の患者集団で共通変異として機能する可能性があるなどの特徴を有する.本稿ではそのようなスプライスネオ抗原の性質と応用に向けた展望を紹介する.

RNAスプライシング,スプライスネオ抗原,がん免疫応答,免疫チェックポイント阻害剤

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