スマホで読める実験医学
550円

シングルセルでのエピゲノム情報の計測技術

Current single-cell epigenomic profiling and its joint profiling
原田哲仁,大川恭行
Harada Akihito/Yasuyuki Ohkawa:Division of Transcriptomics, Research Center for Transomics Medicine, Medical Institute of Bioregulation, Kyushu University(九州大学生体防御医学研究所 附属トランスオミクス医学研究センター トランスクリプトミクス分野)
10.18958/6569-00001-0000914-00

シングルセル解析は,従来行われてきた細胞集団を用いた解析では不明確な細胞の不均一性を明らかにすることを可能にした.細胞集団の分布に加えてその特性を規定する遺伝子発現を測る革新的な計測技術の一つと言える.特に,単一細胞でのエピゲノム解析は,個々の細胞においてゲノム上のクロマチン動態の解析を可能にすることから,遺伝子発現制御の実態を理解できることが期待されている.一方で,従来多数の細胞を必要とするエピゲノム解析をシングルセル解析に応用することはきわめて困難であった.近年の新しい酵素や発想の大転換により,ようやく,シングルセルエピゲノミクス解析が現実のものとなりつつある.本稿では,各シングルセルエピゲノミクス解析とそれらを組合わせたシングルセルマルチオミクスについて最新の開発動向について概説する.

シングルセルエピゲノム,シングルセルマルチオミクス,DNAメチル化,クロマチンアクセシビリティー

この記事は有料記事です

(残り約12,400文字)

  • 【スマホで読める実験医学】シングルセルでのエピゲノム情報の計測技術
    550円