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大学での学術研究から生まれる発明は誰のもの?:アカデミア研究者が知っておくべき特許と社会実装をめぐる現状

隅藏康一
Koichi Sumikura:National Graduate Institute for Policy Studies(政策研究大学院大学)
10.18958/6569-00002-0000916-00

大学と企業の共同研究によって生み出された発明の特許出願に関しては,日米で大きな違いがある.日本では半数以上が大学と企業の共同で特許出願されているのに対して,米国では共同出願は10%程度しかなくほとんどが大学の単独出願である.大学と企業の共有特許について,大学が企業に対して不実施の対価を要求するという慣行が生じており,産学間の温度差の一因となっている.現在の日本の特許法73条の規定を見直すことにより,企業から大学への法的根拠に基づいた対価の支払いが可能になり,両者の円滑かつ良好な関係性の構築に寄与するものと考える.

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