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酸素環境感知の基本メカニズムとがん

Cellular mechanisms of oxygen sensing and their functions in cancer
小林 稔,原田 浩
Minoru Kobayashi / Hiroshi Harada:Laboratory of Cancer Cell Biology, Graduate School of Biostudies, Kyoto University(京都大学大学院生命科学研究科がん細胞生物学)
10.18958/6587-00001-0000923-00

固形腫瘍内部に局所的に存在する低酸素領域は,がんの悪性形質と治療抵抗性を誘導する環境要因として知られている.細胞の低酸素適応応答とがんの悪性化を担う因子として,低酸素誘導性転写因子(hypoxia-inducible factor,HIF)が有名であるが,HIF自体には酸素濃度を直接的に感知する機能はない.本稿では,酸素センサーとして機能する一連の酵素群,α-ケトグルタル酸依存性ジオキシゲナーゼ(αKGDD)と,われわれが同定してきた新規HIF-1活性化因子にフォーカスし,各因子の作用機序とがんの悪性化における機能に関して,蓄積されてきた知見を紹介する.

HIF,α-KGDD,がん低酸素領域,酸素センサー

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