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腎間質線維芽細胞による全身の酸素恒常性維持機構

Regulatory mechanisms of oxygen homeostasis by erythropoietin-producing fibroblasts in kidney interstitia
中井 琢,鈴木教郎
Taku Nakai/Norio Suzuki:Division of Oxygen Biology, Tohoku University Graduate School of Medicine(東北大学大学院医学系研究科酸素医学分野)
10.18958/6587-00001-0000927-00

赤血球増殖因子エリスロポエチン(EPO)は,低酸素誘導性に腎臓から分泌され,酸素を運搬する赤血球を増やすことを介して,全身の酸素恒常性維持において必須の役割を担う.低酸素応答システムの研究は,HIFの同定からHIF活性化剤が貧血治療薬として結実するまで,EPO遺伝子発現制御機構の研究とともに展開されてきた.2019年のノーベル生理学・医学賞受賞に最も貢献した遺伝子はEPO遺伝子であると言っても過言ではない.本稿では,EPO遺伝子発現制御機構を概説し,その破綻による貧血発症機序とHIF活性化剤の作用機序について最近の研究成果を紹介する.

エリスロポエチン(EPO),腎性貧血,酸素パラドクス,HIF活性化剤,REP細胞

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