比較ゲノム学がこれからの医学・生物学研究の方法を変える! 遺伝子機能解析や疾患研究にバイオインフォマティクスを活用するための戦略から,実際の実験方法・モデル生物の選択法までを解説.ゲノム情報の荒波に乗り出す研究者のためのガイドブック!
目次
1章 ゲノムの比較でわかること,わかったこと【岡崎康司】
1 はじめに−ゲノムの解読後の研究課題
2 比較ゲノム学とは
3 機能ゲノム学とは
- 1)遺伝子の機能についての記述の仕方
- 2)塩基配列の比較によるホモロジー検索に基づく機能注釈
- 3)ホモロジー検索による機能注釈における注意点
4 比較ゲノムを用いた機能ゲノム解析
- 1)比較ゲノム学を用いたゲノムの機能の解析
- 2)モデル生物間で保存された類似性に着目した疾患遺伝子の同定
- 3)ホモロジー検索によって機能的な注釈をつけにくい遺伝子への機能注釈の方法
- 4)遺伝子間の機能的な関係の網羅的解析
- 5)ハイスループット解析技術の発展とバイオインフォマティクス
5 この本の目的と概説
2章 遺伝子・タンパク質の機能を調べる(in silico編)
1 配列の比較により遺伝子の機能に迫る【粕川雄也】
- 1)遺伝子クラスタリングにより遺伝子配列をグループ分けする(RTPSクラスタリング)
- 2)配列の類似性をもとにした機能情報の収集
- 3)タンパク質ドメインをもとにした機能情報の収集
- 4)機能情報の記述方法
2 種々のデータベースを利用して遺伝子の機能に迫る
- 1)遺伝子の発現情報をデータベースから調べる【坊農秀雅】
- 2)遺伝子・タンパク質の機能を文献から調べる【仲里猛留】
3 タンパク質配列モチーフを探索する【川路英哉】
- 1)タンパク質配列のモチーフ探索の重要性
- 2)新規モチーフ探索のアプローチ
- 3)新規モチーフ探索の実際
3章 特定の遺伝子・タンパク質の機能を生体で調べる【津久井 通/岡崎康司】
1 生体における機能解析のストラテジー
- 1)in vivo解析を始める前に
- 2)in silicoで得られたデータを活用する
- 3)生体における発現プロファイリングの検討
- 4)目的とする遺伝子の変異体はあるか?
- 5)致死性(Lethality)の検討
2 モデル生物を選択する
- 1)機能解析にモデル生物を利用するメリット・デメリット
- 2)S. cereviciae(出芽酵母)/S. pombe(分裂酵母)
- 3)C. elegans(線虫)
- 4)D. melanogaster(ショウジョウバエ)
- 5)Danino rerio(ゼブラフィッシュ)/Oryzias latipes(メダカ)
- 6)G. gallus(ニワトリ)
- 7)M. musculus(マウス)
- 8)H. sapiens(ヒト)
3 生体内の遺伝子を操作する−遺伝子改変動物を活用した機能解析
- 1)生体内における遺伝子操作による機能解析法の種類−遺伝子付加,遺伝子欠失,遺伝子置換,ランダム変異導入法,など
- 2)リバースジェネティクスによる遺伝子改変動物の利用−モデル動物を活用した疾患遺伝子の解析・検討
4章 ゲノムワイド大量実験情報に基づいて機能を調べる
1 マイクロアレイによる遺伝子発現プロファイルから機能を調べる【坊農秀雅】
- 1)マイクロアレイデータ解析とは
- 2)遺伝子発現プロファイルから機能を調べる
2 トランスクリプトームから機能を調べる
- 1)発現プロファイルからプロモーター配列を解析する【寺井悟朗】
- 2)多型を利用した遺伝子同定−ゲノムワイドな遺伝統計学的遺伝子同定の活用【谷口丈晃】
- 3)アノテーションの関連解析−選択的スプライシングを例に【中尾光輝】
3 インタラクトームから機能を調べる【鈴木治和】
- 1)プロテオームワイドにタンパク質相互作用を調べる
- 2)ゲノムワイドにタンパク質-DNA相互作用を調べる
4 プロテオームから機能を調べる−プロテオミクスLIMS【小野塚 昭/Johannes Flekner】
- 1)プロテオミクスLIMSによる解析情報の主な流れ
- 2)プロテオミクスLIMSの必要性
- 3)プロテオミクスLIMSのシステム仕様
- 4)curation作業とマスターゲルの作成
- 5)発現解析
- 6)質量分析によるタンパク質同定
- 7)アノテーション
- 8)ICAT法によるタンパク質発現の定量分析
5 グライコーム,メタボローム−注目されるゲノムワイドな機能解析【坊農秀雅】
5章 モデル生物から疾患遺伝子を探索する
1 フォワードジェネティクスとリバースジェネティクス【津久井 通/岡崎康司】
- 1)ミュータジェネシスと形質のスクリーニング
- 2)ミュータジェネシスとジーンドリブンスクリーニング
2 疾患関連遺伝子のマッピング−染色体上にマッピングされた遺伝子を同定する【仲地 豊/岡崎康司】
- 1)形質と遺伝子の結びつけによる機能の同定
- 2)ポジショナルキャンディデートクローニング
- 3)モデル生物で得られた情報をもとにヒトの疾患関連遺伝子を探す
3 遺伝学とマイクロアレイの統合による疾患遺伝子の発見【二階堂 愛】
- 1)第一の革命−遺伝学とマイクロアレイの出会い,発現マッピング
- 2)第二の革命−発現量を量的形質として捉える,発現QTLマッピング
- 3)第三の革命−多型チップの登場
- 4)最後に−比較ゲノムの視点から
4 ヒト疾患研究にモデル生物を利用する【八木 研】
- 1)ヒト疾患研究におけるモデル生物利用の有用性
- 2)比較ゲノム学におけるモデル生物
- 3)モデル生物を用いたゲノム研究−酵母,線虫,ショウジョウバエ,ゼブラフィッシュ
- 4)モデル生物を利用したヒト疾患研究の例−循環器系,神経系,発生・分化,細胞内シグナル伝達,環境応答シグナル,代謝系
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- 【本書名】ゲノム情報はこう活かせ!〜比較ゲノム学を遺伝子・タンパク質の機能解析や疾患遺伝子探索に活用する方法がわかる
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(2021年8月23日)
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