企画/鎌田真由美(北里大学未来工学部データサイエンス学科 生命情報デザイン研究室)
近年の医学・生命科学研究では,ゲノムから臨床情報まで,多様な(=マルチモーダルな)データが爆発的に増加しています.これらの統合解析により,従来にない新発見や創薬へのブレークスルーが期待されるものの,その方法論は手探りの部分が多い現状ではないでしょうか.そこで2025年1月号では,「マルチモーダルデータとは何か?」「どのように統合し,活用するのか?」「AIと組み合わせる可能性は?」といった疑問に対し,最新の研究事例・統合技術の紹介を通じて,皆さまの研究を加速させるヒントが満載の特集をお届けします.(編集部より)
企画/梶村真吾(ハワード・ヒューズ医学研究所/ハーバード大学医学大学院/ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター),米代武司(東北大学)
褐色脂肪組織は,生活習慣病予防のための標的として魅力的な組織です.実際,ヒトと実験動物いずれでも,褐色脂肪の機能増強により熱産生が上昇し,肥満度とインスリン抵抗性の改善が起こります.しかし最近,褐色脂肪には酸化ストレスや組織炎症の抑制因子の分泌など,エネルギー消費とは別の全く新しい機能があることが分かってきています.
本特集では,褐色脂肪の新たな生理機能,特に熱産生非依存的な役割を明らかにされた皆様にご研究をご紹介いただき,本誌読者の生命科学者,医師,創薬研究者などに基礎生物学の面白さと新しいアイデアを提示するとともに,代謝性疾患に対する興味を喚起したいと考えています.(企画者より)
※ タイトルはすべて仮題です.内容,執筆者は変更になることがございます.