マウス胚を中心とした発生メカニズムの基本から,ゲノムワイドな大規模プロジェクトに至る最前線までを,第一線で活躍する研究者がわかりやすく解説.さらに,充実したモデル動物別の各論にも注目!発生生物学研究の“今”を知るためにオススメの一冊です.
目次
基本編
第1章 生殖細胞形成
生殖細胞形成【相賀裕美子/松居靖久】
- 1 生殖細胞の誘導
- 2 生殖細胞の増殖と移動
- 3 性分化に伴った生殖細胞の成熟と分化
- 4 他生物との比較
第2章 初期発生過程
1)初期発生過程 〜受精から原腸陥入まで【佐々木洋】
- 1 発生段階と細胞系譜
- 2 分化の全(多)能性とES細胞
- 3 原腸陥入と胚葉形成
- 4 今後の課題
2)体軸形成【中村哲也/濱田博司】
第3章 細胞の分化過程
1)非対称細胞分裂(松崎文雄)
- 1 非対称分裂の基本的な特徴
- 2 卵形成と卵割
- 3 神経前駆細胞の非対称分裂
- 4 今後の研究の展開
2)体節形成と時計【別所康全/影山龍一郎】
- 1 体節形成
- 2 分子時計の発見
- 3 分子時計のメカニズム
- 4 今後の課題
3)神経堤細胞分化【若松義雄】
- 1 神経堤の形成
- 2 神経堤の脱上皮化
- 3 神経堤の移動
- 4 神経堤の分化
第4章 外胚葉系器官形成
1)頭蓋の形態発生【倉谷滋】
- 1 頭蓋の組成と神経堤細胞
- 2 系列相同性とHoxコード
- 3 誘導的組織間相互作用と鰓弓のデフォルト形態
2)脳・神経系形成【須田容子/相沢慎一】
- 1 脊椎動物のボディプラン
- 2 頭部誘導
- 3 脳の領域化
- 4 終脳形成
3)感覚器系形成【近藤寿人/内川昌則】
- 1 感覚器プラコード
- 2 眼の発生
- 3 水晶体の発生
- 4 網膜の発生
- 5 内耳の発生
4)表皮系形成【稲松睦/吉里勝利】
- 1 皮膚および毛器官の形態的特徴
- 2 皮膚の発生
- 3 毛包の発生
- 4 毛包形成における真皮シグナルと表皮シグナル
- 5 毛包発生における上皮-間充織相互作用に関与する因子
第5章 中胚葉系器官形成
1)筋肉系形成【入江直樹/瀬原淳子】
- 1 系譜 〜筋肉はどこからできてくるのだろうか?
- 2 分化 〜細胞の視点から筋形成をみると?
- 3 体節の分化 〜Wnt,Shh,BMPシグナルのクロストーク
- 4 肢芽・横隔膜などへの遊走機構
- 5 分化・成熟過程は未解明問題が山積み
- 6 再生は“発生の繰り返し”なのだろうか?
2)軟骨・骨系形成【丸山善治郎/小守壽文】
- 1 内軟骨性骨化
- 2 付属肢骨格(胎肢骨)の発生
- 3 軸骨格の発生
- 4 頭蓋の発生
- 5 永久軟骨の発生
3)循環器系形成【中島裕司】
4)泌尿器系形成【原田美貴/西中村隆一】
- 1 泌尿器系臓器の発生の概略
- 2 腎臓の発生
- 3 生殖腺,付属器の発生
- 4 現在の注目点と今後の課題
第6章 内胚葉系器官形成
1)消化器系形成【八杉貞雄】
- 1 マウスにおける消化器官の発生様式
- 2 発生を進める遺伝子
- 3 他の脊椎動物との共通点と相違点
- 4 消化器官形成研究の意義
2)呼吸器系形成【崎山潤一/黒岩厚】
- 1 呼吸器官の器官形成のあらまし〜古典実験発生学が明らかにしたこと
- 2 呼吸器官の位置はどのようにして決められるのか?
- 3 肺の器官形成
- 4 気管の形成
トピックス編
1 ゲノムワイドな発生生物学【高橋弘樹/喜多山篤/堀田耕司/上野直人】
- 1 生物ゲノムおよびEST解析の現状
- 2 ゲノム解読によってもたらされること
2 体細胞クローンマウス【岸上哲士/若山照彦】
- 1 クローン研究のあけぼの
- 2 体細胞クローン
- 3 クローンマウス作出法
- 4 クローン動物とリプログラミング〜なぜクローン動物の成功率は低い?
- 5 クローン動物の正常と異常〜さまざまな細胞からつくられ続けるクローンマウス
- 6 クローンはオリジナルのコピーか?
- 7 核移植技術の有用性〜遺伝子改変動物の作製および再生医療
- 8 クローン技術の今後の課題
3 マウス突然変異プロジェクトと発生生物学【桝屋啓志/城石俊彦】
- 1 ゲノム解読後の突然変異リソース創出とマウスENUミュータジェネシス
- 2 発生過程で機能する遺伝子をターゲットとした突然変異スクリーニング
4 発生学における理論的な手法【近藤滋】
モデル動物編
1 プラナリアの全能性幹細胞システム【梅園良彦/阿形清和】
- 1 実験生物としてのプラナリア
- 2 再生と幹細胞システム
- 3 プラナリアの神経構造
- 4 幹細胞から脳神経細胞への分化制御機構
- 5 今後の研究の展開
2 線虫C.elegansの陰門形成 〜22個の細胞からなる器官形成モデル【森田清和】
- 1 モデル動物としての線虫C. elegans
- 2 器官形成モデルとしての陰門形成
- 3 誘導ステップにかかわるシグナル
- 4 VPCのcompetence(反応性)を決める遺伝子
- 5 VPCの発生段階を規定する遺伝子(heterochronic genes)
3 発生学の先端を飛翔するショウジョウバエ【林茂生】
- 1 ショウジョウバエ 〜発生生物学の万能ナイフ
- 2 ショウジョウバエ研究が明らかにした発生学のパラダイム
- 3 今後の展開
- 4 “完全な”突然変異体バンクの作製へ向けて
- 5 イメージング技術の大きな可能性
4 ユウレイボヤの発生運命決定機構【佐藤ゆたか/佐藤矩行】
- 1 ホヤの発生
- 2 ホヤの発生研究とゲノム解析
- 3 ホヤの初期発生において働く遺伝子群
- 4 網羅的かつ統合的な発生の理解に向けて
5 小型魚類の初期発生 〜ゼブラフィッシュの中・内胚葉形成を中心として【武田洋幸】
- 1 ゼブラフィッシュの登場
- 2 ゼブラフィッシュ初期発生の概略
- 3 卵黄細胞による中・内胚葉の誘導と背腹軸形成
- 4 中・内胚葉誘導因子としてのNodal
- 5 内胚葉形成の遺伝子カスケード
6 ツメガエルを用いた発生研究とその新展開【伊藤弓弦/有泉高史/浅島誠】
- 1 アフリカツメガエルの初期発生 〜体軸はどのようにして決まるか
- 2 ツメガエルを用いた研究の新展開 〜遺伝学的手法の導入
7 触れるモデル高等脊椎動物としてのニワトリ胚【田村宏治/斉藤大介】
- 1 発生学における実験動物選定の重みと発生学のモデル動物としてのニワトリ胚
- 2 発生における拘束と分化
- 3 翼と脚への分化の拘束過程とその違いを生み出す組織間相互作用
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(2021年8月23日)
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