肥満の脂肪組織に浸潤したマクロファージは,びまん性に局在するのではなく,CLS(crown-like structure)と称される特徴的な組織像を呈する.その実態は,肥満の過程で代謝ストレスにより細胞死に陥った脂肪細胞をマクロファージが取り囲み,貪食・処理しようとする組織像であり,脂肪組織炎症の指標としてよく用いられる.マクロファージマーカーのF4/80染色を行うことにより可視化され,筆者らは,脂肪肝からNASHを発症する過程や急性腎障害の修復期にも,CLS様の組織像が形成されることを見出している.(実験医学増刊395より)
個人差の理解へ向かう肥満症研究
GWAS、エピゲノム、腸内細菌、栄養学的知見から多様な病態を解明し、Precision Medicineをめざす
肥満脂肪組織,NASHにおいて過剰な脂質蓄積によって細胞死に陥った実質細胞をマクロファージがとり囲む構造.実質細胞と間質相互作用の場であり,組織リモデリングの起点となる.(実験医学増刊3812より)
線維化 慢性疾患のキープロセス
多彩な間質細胞が織りなす組織リモデリング“fibrosis”の理解
解説は発行当時の掲載内容に基づくものです
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